自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
4月22日、中山美穂さん(享年54)のお別れの会が東京国際フォーラムで開かれた。妹の中山忍さんは詰めかけた1万人のファンに向けて、「何かの折には姉の歌を聴いていただき、作品を見ていただいて姉のそばにたくさんの花を咲かせてあげてほしい」と涙ながらに語った。1985年のデビュー以来、数々の作品を残してきた美穂さんが「歌手・俳優」として打ち立てていた記録を、ライターの岡野誠氏が振り返る。(本文敬称略。視聴率は世帯。ビデオリサーチ調べ、関東地区)
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昭和末期から平成にかけて、最も注目されたドラマ枠はフジテレビの月曜夜9時枠だった。『東京ラブストーリー』や『101回目のプロポーズ』など大ヒット作をプロデュースした大多亮は、こう語っている。
〈“月9”は、視聴率20パーセントとってあたりまえ。ほかの枠でそういうのはないですよ。それが20パーセントで「まずまずだね」なんて言われるんですから。初回は20パーセントでスタートして最終回は25パーセント以上という、非常に高いハードルなんです〉(1998年1月20日号/FLASH)
つまり、この枠での主演は、相当な人気と技量を兼ね備えていなければならない。その中で、中山美穂は女優最多となる7回の主演を果たしている。これは周知されているが、彼女はもう1つの大記録を持っている。
38年続く「月9」で主演と主題歌を兼ねたタレントの中で、最高視聴率25%以上、オリコン売上枚数30万枚以上を同時に突破したのは田原俊彦、中山美穂、反町隆史の3人しかいない。その全てを以下に列記しよう。
◆3回:中山美穂
1990年10月開始 ドラマ『すてきな片想い』26.0% 主題歌『愛してるっていわない!』36.1万枚
1991年10月開始 ドラマ『逢いたい時にあなたはいない…』26.3% 主題歌『遠い街のどこかで…』67.3万枚
1996年10月開始 ドラマ『おいしい関係』25.5% 主題歌『未来へのプレゼント』40.9万枚(中山美穂 with MAYO)
◆1回:田原俊彦
1989年4月開始 ドラマ『教師びんびん物語II』31.0% 主題歌『ごめんよ涙』30.4万枚
◆1回:反町隆史
1997年7月開始 ドラマ『ビーチボーイズ』26.5% 主題歌『Forever』50.8万枚(反町隆史 with Richie Sambora)
ちなみに、小泉今日子は1989年10月開始のドラマ『愛しあってるかい!』が26.6%、主題歌『学園天国』が33.5万枚を記録しているが、主演ではなくヒロインだった。