国内

令和の学校事情「スポーツ万能はいない」「大便は流さない」

男子用小便器のない学校も増えている(リチャード/PIXTA)

男子用小便器のない学校も増えている(リチャード/PIXTA)

 新年度がスタートしたが、子供の進学で教育現場の変化に驚く親も多いのではないか。『週刊ポスト』(4月5日発売号)では、「令和の学校から消えたもの」を特集している。危険だとしてブランコやシーソーなど多くの遊具がなくなったり、親が嫌がるからと家庭訪問が行われなくなったりと、昭和や平成に通学した世代からすると「それでいいの?」と首を傾げるような変化も少なくない。

 子供の様子も様変わりしている。千葉県の小学校教員で、教員向けの著書などが多数ある城ケ崎滋雄氏は、過剰な「遊具狩り」で子供たちの運動能力が低下していることを懸念する。

「個人的には、危険だとして撤去された遊具は、ほとんど残してよかったのではないかと思っています。もちろんケガをすることもありますが、そういうなかで子供たちは『これ以上やると危ない』といったセンサーを身に付けていくのだと思います。10年くらい前に、班ごとに遊具を順繰りに使って遊ばせていたら、ジャングルジムで鬼ごっこをして手を滑らせて落ちた子がいたのですが、父親からは、そんなところで鬼ごっこをさせるなんて危ないじゃないかと指摘されました。私自身はその光景を見ていて特に問題は感じなかったのですが、そうやって親が心配する時代になっています。

 雨が降れば遊具は滑ります。今の子供は、雨上がりには使うなよと言わないと使います。滑るという予測ができないのです。遊具を拭ってから遊ぶとか、滑り具合を計算して使い方を工夫するといったことができない。

 昔は、運動ができる子は万能だったじゃないですか。今は、野球でもサッカーでも、うまい子でもそれしかできない。スポーツ万能という子がいないんですよね。教えられたこと、習っていることはできるけど、そうでないものはできない。竹馬をやらせるとほとんどの子供が乗れないのですが、たまに乗れる子がいると、幼稚園でやったことがあるという具合です。体を使うことに関しては、今の子供は汎用性がないと感じますね」

こんな光景も珍しくなりつつある(タマ/PIXTA)

こんな光景も珍しくなりつつある(タマ/PIXTA)

 慣れている環境と違うと適応できない傾向は生活面にも見られるという。

「最近は、トイレで大便のあとに流さない子が多いです。調べたわけではありませんが、たぶん家のトイレは勝手に流れる機能があるからではないでしょうか」(城ケ崎氏)

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン