43歳でも体をはり挑戦を続ける
最後に安彦に格闘家として目指すゴールを聞くと、うれしそうに「自分でもわからない」と言った。
「それがわかるのはまだ先じゃないですか。39歳でJリーガーを目指したこともそうですが、人は自分が死んだときに何を残せるかだと思いますし。いまの目標は、年末のRIZINに出場すること。そのあとは、どうするかはわかりません。去年のいま頃は、格闘技をやろうなんて1ミリも思っていなかったですし、未来はわからない方がワクワクするじゃないですか」
「10回の素振りより1回のバッターボックス」――安彦は著書『おっさんJリーガーが年俸120円でも最高に幸福なわけ』(小学館)に記した通り、まずはリングという打席に立つことで、挑戦者の覚悟を見せつけるつもりだ。
取材・文・撮影/栗原正夫
スパーもこなす。打撃に必要な上半身も発達している