サウスポー相手のデビュー戦に闘志を燃やす

サウスポー相手のデビュー戦に闘志を燃やす

 そうは言っても、これまで縁もゆかりもなかった格闘家への転身である。だが、小比類巻氏は「スピードやパワーだけじゃなく闘争心や集中力もある」と安彦の格闘センスに太鼓判を押す。

「最初は40歳を過ぎた元サッカー選手が格闘家に転身すると聞いて驚きました(笑い)。でも、安彦さんはセンスありますよ。キックボクシングのキックはサッカーのボレーキックに近いですし、びっくりしたのはパンチ力もあること。こんどのイベント(試合)には、RIZINのプロデューサーの榊原(信行)さんにもいらしていただく予定ですし、どんなファイトを見せてくれるか楽しみです」

 4月16日のあと、夏にも同じ小比類巻道場が主催するイベントがあり、秋にもプロデビューし、年末にRIZINに出場できたら最高の流れ。そのためには、勝ち続けることが大切だと小比類巻氏はいう。

「もちろん、43歳で格闘技を始めた安彦さんが世界トップをねらえるかと言ったらそうじゃないです。でも、格闘家のパターンは1つではないですし、戦うことで人に勇気や感動を与えられれば、それも1つの道。40代になると誰しも体が衰えたり、お腹が出てきたりするものです。それでも、もう1回挑戦しようとする安彦さんのパワーは、僕もさすがだなと感じています」

 安彦は2月28日、自身がリングに上がるのを前にプロ野球選手から格闘家へ転身した元西武ライオンズの相内誠(26)の格闘技デビューとなった「RISE横浜大会」を観戦。相内が1ラウンド(3分)も持たずにTKO負けした姿を目にし、同じ元アスリートとして同類にされてしまっては困ると強く思ったそうだ。

「防具をつけて戦うアマとプロのリングが違うのはもちろんわかっていますし、すでにプロの舞台に立った相内さんと未経験の自分を比較するのは申し訳ない。でも、彼は最初から痛がっていましたし、ああいう風になるつもりはない。元プロ野球選手と元Jリーガーが戦えば盛り上がるでしょうし、1度試合をさせてほしい。そこで勝ってRIZINに向けて弾みをつけたいですね」

 2019年3月、41歳1ヶ月9日でJリーグ最年長初出場記録を更新した男は、43歳でRIZINのリングを目指して再び走り出した。大きな批判は覚悟のうえだが、いまは周囲の声すら気にならないほど自分に集中できているとも話す。

「昔は、何か言われると言い返していましたけど、もう(周りに)かまう必要もないかなって。こっちは本気だし、格闘家になると決めた以上、覚悟を見せるだけですから。Jリーガーを目指していたときもそうですが、まずは形にしないと何を言っても誰も認めてくれないですからね(笑い)。もう1回勝負して、とにかく有言実行を果たしたい」

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