国内

「ふいんき」「いちよう」「うる覚え」 日本語の間違い生じる4つの条件

SNSや動画投稿サイト、テレビでも字幕の間違いが…(イメージ)

SNSや動画投稿サイト、テレビでも字幕の間違いが…(イメージ)

 SNSなど現代人はテキスト(文字)でコミュニケーションを頻繁にとる。そんなとき、目につくのが「言葉の微妙な間違い」だ。「永遠と(延々と)」「うる覚え(うろ覚え)」「いちよう(一応)」「みよじ(名字)」などは、よくある間違いとして見慣れてきたが、「警察駄々(警察沙汰)」「レンシレンジ(電子レンジ)」などは、もはや「なるほど!」と感心さえさせられる。

 おそらく、こういった間違いは、言葉を「音」で覚えて、自分が聞こえたように書くことで生み出されるものだろう。また、ネット上では、YouTubeのテロップによる影響を指摘する声もある。人気YouTuberであっても、自ら動画編集を担当している場合は少なくないし、校閲係が入っているわけでもない。本人の間違いがテロップに反映され、その動画の視聴者が言葉をまた間違って覚えてしまう可能性は十分に考えられそうだ。

 しかし、地上波テレビのテロップが間違っている例も存在する。たとえば、3月18日に放送された『千鳥のクセがスゴいネタGP』(フジテレビ系)では、お笑いタレント・原口あきまさたちがコントを披露したとき、字幕テロップが「カンペを永遠と読んでる」となっていた。もちろん、このほかにもテロップに誤りがあった番組は存在する。テレビのこうした間違いに目くじらを立てるわけではないが、キー局がミスしているとすれば、視聴者がその言葉を覚えて同様に間違ってしまう可能性もあるだろう。

 国立国語研究所の石黒圭教授は、「間違った言い方が採用されるのは、頭を使わずにできるだけ楽をして言おうとした結果です。よく言えば効率的、悪く言えばサボり。これがネイティブ・スピーカーの本能です」と言う。その上で、言葉の間違いが起こりやすい条件について解説してくれた。

「1つは、『布団をひく(布団をしく)』、『ふいんき(ふんいき)』、『いちよう(いちおう)』のように、間違った言い方のほうが、発音が楽な場合です。

 次に、『怪獣電灯(懐中電灯)』、『舌づつみ(舌つづみ)』、『責任転換(責任転嫁)』のように、似た音が干渉する場合。こちらは、子どもが語を類推するときに起こりがちです」(石黒教授)

関連記事

トピックス

“令和の小泉劇場”が始まった
小泉進次郎農相、父・純一郎氏の郵政民営化を彷彿とさせる手腕 農水族や農協という抵抗勢力と対立しながら国民にアピール、石破内閣のコメ無策を批判していた野党を蚊帳の外に
週刊ポスト
緻密な計画で爆弾を郵送、
《結婚から5日後の惨劇》元校長が“結婚祝い”に爆弾を郵送し新郎が死亡 仰天の動機は「校長の座を奪われたことへの恨み」 インドで起きた凶悪事件で判決
NEWSポストセブン
6月2日、新たに殺人と殺人未遂容疑がかけられた八田與一容疑者(28)
《別府ひき逃げ》重要指名手配犯・八田與一容疑者の親族が“沈黙の10秒間”の後に語ったこと…死亡した大学生の親は「私たちの戦いは終わりません」とコメント
NEWSポストセブン
「最後のインタビュー」に応じた西内まりや(時事通信)
【独占インタビュー】西内まりや(31)が語った“電撃引退の理由”と“事務所退所の真相”「この仕事をしてきてよかったと、最後に思えました」
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬・宮城野親方
【元横綱・白鵬が退職後に目指す世界戦略】「ドラフト会議がない新弟子スカウト」で築いたパイプを活かす構想か 大の里、伯桜鵬、尊富士も出場経験ある「白鵬杯」の行方は
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
「日本人ポップスターとの子供がいる」との報道もあったイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
イーロン・マスク氏に「日本人ポップスターとの子供がいる」報道も相手が公表しない理由 “口止め料”として「巨額の養育費が支払われている」との情報も
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
《会社の暗部が暴露される…》フジテレビが恐れる処分された編成幹部B氏の“暴走” 「法廷での言葉」にも懸念
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
 6月3日に亡くなった「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
【追悼・長嶋茂雄さん】交際40日で婚約の“超スピード婚”も「ミスターらしい」 多くの国民が支持した「日本人が憧れる家族像」としての長嶋家 
女性セブン
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《レーサム創業者が“薬物付け性パーティー”で逮捕》沈黙を破った奥本美穂容疑者が〈今世終了港区BBA〉〈留置所最高〉自虐ネタでインフルエンサー化
NEWSポストセブン