自画撮り被害は、関係の非対称性を利用して、無理矢理に画像を送らせるように迫るパターンだけではありません。なかには、一部のインフルエンサーに注目して欲しいという理由から、自分からDM(ダイレクトメール)で自画撮り画像を送ってしまう児童もいます。
また中高生のSNSアカウントに悩み相談などの体裁で近づき、SNSのリプライ欄で親睦を深めたのちに、DMでより親密なやりとりをするという例もある。そこからLINEのIDなどを教え合い、よりクローズドな空間に移っていくというのが常套手段でしょう。
コロナ禍でスマホを見る時間が増え、家族に悩みを相談できない児童が、ネット上の赤の他人に心を許し、拠り所にしてしまうこともあるかもしれません」(Aさん)
注意すべきは写真データの送付だけではないという。Aさんはビデオ通話にも十分注意すべきだと警鐘を鳴らす。
「なかには、LINE通話などのテレビ電話をしている最中に相手に性的な要求をし、隠れてスクリーンショットを撮られてしまう例もあります。そのスクリーンショットで脅し、より過激な要求をするという場合もある。必ずしも写真画像のやりとり、という形を取らないことに注意してほしいです」(Aさん)
早い段階からネットリテラシー教育の必要性
「自画撮り被害」を減らすために、どのような対処が必要なのか。
「警察は被害防止のための法整備を進めるとともに、携帯電話事業者に対する指導も強化しています。たとえば、青少年インターネット環境整備法の改正で義務化されたフィルタリングの説明や、有効化措置の徹底などの指導です。