ビジネス

『名探偵コナン』と鉄道の浅からぬ関係 国交省は速達性向上を真剣に検討

実は鉄道と縁がある『名探偵コナン』(劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』HPより)

実は鉄道と縁がある『名探偵コナン』(劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』HPより)

 作家、クリエイターが描く世界が、現実の未来の姿を予言したかのようになってしまうことがある。いまや親と子、二世代で楽しむ家族も少なくないといわれる人気シリーズの名探偵コナンでは、現実より少しオーバースペックな鉄道がたびたび登場してきた。ライターの小川裕夫氏が、荒唐無稽と見過ごせないコナン作品における鉄道のスピードについて、レポートする。

 * * *
 人気マンガ「名探偵コナン」の劇場版最新作『名探偵コナン 緋色の弾丸』が公開された。昨年、新型コロナウイルスの影響により公開が延期された。待ちに待った新作だけに、ファンの期待は高まっている。

 名探偵コナンではこれまで、最新の技術や知見が積極的に取り入れられてきたが、鉄道関連でも興味深いものがいくつも登場してきた。最新の劇場版でも、東京~名古屋間で建設が進められている中央リニア新幹線を彷彿とさせる真空超電導リニアが登場して事件に大きく関わるほか、真空超電導リニアの駅として新名古屋駅もお目見えする。

 現在、新名古屋駅は存在しないが、名古屋鉄道の名鉄名古屋駅が2005年まで新名古屋駅を名乗っていた。そうした所縁もあり、名古屋鉄道は愛知県江南市に所在する江南駅を一時的に「名探偵コナン駅(江南駅)」に改称。コナンの世界観に合わせた装飾も施す。

「コナンとのコラボは、4月14日から6月30日の期間で実施します。江南駅西口の駅名看板をコナン駅と掛け替え、コナンのイラストも合わせて描きます。また、ホームに設置される駅名看板、駅構内にある旧きっぷ売り場の壁面にもキャラクターを描きます」と話すのは、名古屋鉄道広報部の担当者だ。

 江南駅には西口と東口があり、西口は市の中心部へとつながる出入り口でもある。そのため、多くの乗降客が西口を利用することになるので、コナン駅への意匠チェンジは注目を集めることになるだろう。

 そうした取り組みとともに、名鉄は名古屋駅と直結する名鉄百貨店前の待ち合わせスポット・巨大マネキンの「ナナちゃん人形」を名探偵コナンのキャラクター「赤井秀一」の衣装へと衣替えさせる。名古屋の名所だけに、これも話題になるだろう。

 一方、リニアの運行主体となるJR東海はコナンとコラボする気配がない。JR東海広報部東京広報室の担当者は言う。

「同作は昨年に公開される予定でしたが、その直前まで弊社も作中にリニアが登場することを知りませんでした。そのため、特にコラボする話は出ていません。今後も、映画とコラボする予定はありません」

関連キーワード

関連記事

トピックス

行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
SNSで「卒業」と離婚報告した、「第13回ベストマザー賞2021」政治部門を受賞した国際政治学者の三浦瑠麗さん(時事通信フォト)
三浦瑠麗氏、離婚発表なのに「卒業」「友人に」を強調し「三浦姓」を選択したとわざわざ知らせた狙い
NEWSポストセブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン