2人の交際には、韓国の芸能人たちも祝福の意を示している(写真/アフロ)

『愛の不時着』でヒロインのユン・セリ役を演じたソン・イェジン(写真/アフロ)

韓国で今一番の話題作は『怪物』

 一方、韓国Netflixの「今日の総合TOP10」1位は、心理スリラードラマの『怪物』だ。『ヴィンチェンツォ』より早く最終回を迎えたが、口コミでじわじわヒットし話題になっている。日本でも6月から放送が開始する予定なので、一足早くその魅力について紹介したい。『ヴィンチェンツォ』とは一味違い、韓国ドラマにしては珍しく残酷な場面も登場する本格スリラーとなっている。

 悪を悪で裁こうと立ち向かう『ヴィンチェンツォ』に対し、『怪物』は2人の警官が犯人を突き止め法の裁きを受けさせる物語。2人の主人公が連続殺人犯を探す傍ら、失踪事件や犯罪被害者遺族の苦しみにも焦点を当てた社会派ドラマである。登場人物全員が怪しく、誰が善人で誰が悪人なのか全く予想がつかない展開に目が離せなくなる。

 韓国で“演技怪物”と呼ばれるシン・ハギュンと子役出身のヨ・ジングが主人公を務め、『愛の不時着』でヒロインの兄を演じたチェ・デフンや、北朝鮮の村で美容師役として登場したチャ・ジョンファも出演している。SNSでは、「次回が待ち遠しくて何もできなくなる」、「韓国ドラマには珍しいコメディ抜きの作品でドキドキが止まらない」、「回を重ねるにつれてどんどん面白くなる」といった絶賛の声が多く見られた。

『ヴィンチェンツォ』で主演を務めたソン・ジュンギと『怪物』の主人公シン・ハギュンは、5月13日に開催された 韓国のゴールデングローブ賞と呼ばれる「第57回百想芸術大賞」で、テレビドラマ部門の最優秀演技賞にノミネートされた。両作品はどちらも若手女性監督の作品という点で注目され、『怪物』は作品賞や新人賞、助演賞など7部門の最多ノミネートを記録している。6月の日本での放送が待ち遠しい。

【趙章恩】
ジャーナリスト。KDDI総合研究所特別研究員。東京大学大学院学際情報学修士(社会情報学)、東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。韓国・アジアのIT・メディア事情を日本と比較しながら分かりやすく解説している。趣味はドラマ視聴とロケ地めぐり。

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