味覚のダイバーシティ性を追求する「ヱビス」
──中心ブランド「黒ラベル」と「ヱビス」は今後も販売方針は変わりませんか?
野瀬:「サッポロ生ビール黒ラベル」は生の王道を歩むビールとして、生ビールの美味しさをこれからも徹底的に追求していきます。そして「ヱビス」についてはビールの多様性を感じていただくブランドでもあるので、そこを追求していこうと思っています。
昨年、「ヱビス」は130周年の節目で、4年ぶりに販売実績も前年越えを達成しました。「ヱビス」の本格的な反転攻勢を打ち出していくには、まずは底打ちしなければ綺麗ごとで終わってしまいます。
営業部隊にも、昨年は「ヱビス」重視という考えを伝えてありましたし、実際、量販店等での店頭展開はしっかり取り組んでもらっています。BTL(※注2)のマーケティングを仕掛けると、「ヱビス」はそれなりにお客様が反応していただけるブランドだという点も大きかったですね。
※注2/マスメディア4媒体以外の、イベントやDM、店頭POP、屋外広告など。
コンセプトを全面リニューアルした「ヱビスビール」
今年は「ヱビス」のコンセプトを全面リニューアルしました。従来の「ちょっと贅沢なビール」というコンセプトから、「Color Your Time! YEBISUビールの楽しさ、もっと多彩に」に変え、レギュラーとエールタイプ、ブラックの3商品を軸に、春夏でホワイトタイプ、秋冬でアンバーの琥珀タイプを発売します。クラフト的に味覚のダイバーシティ性を追い求めていくのが「ヱビス」というブランドなのです。
今後も、この「ヱビス」5商品以外にも飲食店用だけのオリジナル商品、あるいは家庭用商品でも、さらに新たなご提案を検討していく予定ですし、ここ(東京・渋谷区恵比寿の恵比寿ガーデンプレイス敷地内)でしか飲めないミニ醸造所も作り、さまざまなタッチポイント戦略を描いていこうと思っています。