ライフ

体脂肪率やBMI値はやや高めのほうが健康?コロナも重症化しにくい説も

プラスサイズモデルとして活躍する吉野なおさん。右は過酷なダイエットをしていた頃

プラスサイズモデルとして活躍する吉野なおさん。右は過酷なダイエットをしていた頃(本人提供写真)

 やせていることこそが美しいとされた時代はもう終わり──。最近では、自分のありのままの体形を愛する「ボディー・ポジティブ」の考え方が広がり、細い体が美しいという価値観は覆りつつある。

 さらに「太っている人よりやせている人の方が健康的」という考えが、間違った思い込みだということがわかってきている。山梨学院大学の研究では、BMIが低いほど、認知症になりやすいということがわかった。

 BMIとは、現在の体形のバロメーターとされており、「体重÷(身長×身長)」で導き出される。一般的に、BMIが25以上は「肥満」、18.5~24が「普通体重」、18.5未満は「低体重(やせ)」のカテゴリーに入るとされている。

 日本摂食障害学会理事長でなんば・ながたメンタルクリニック院長の永田利彦さんはこう指摘する。

「日本の中高年を10~15年追跡した研究では、最も死亡率が低かったのは、BMIが21~27の群。やせている人ではなく、『標準』から『肥満』にあたる人の方が健康だということがわかったのです。スウェーデンの研究でも、BMI 27の小太りタイプが最も長生きだという結果になっています。

 さらに、米国で行われたアカゲザルを用いた実験では、高齢のサルの食事を栄養不足にならない程度に減らすと長寿になったのに対し、若いサルの食事を同程度減らすと、短命の傾向になることがわかりました。つまり、若いうちから食事を減らしていると、死亡リスクが増す可能性があるのです。

 また、イギリスの若者を対象にした研究データでは、BMI値が低い人ほど、自殺や対人暴力による死亡リスクが高かった。因果関係はまだ明らかにされていませんが、やせていることは、その人の健康や幸せとはなんの関係もないといえるでしょう」(永田さん)

 BMI値だけでなく、体脂肪率も、やや高めの方がいい。少しぽっちゃりしているくらいの方が、感染症などの病気になりにくいのだ。精神科医の樺沢紫苑さんはこう言う。

「体脂肪率が10%を切ると、免疫力は急激に下がるとされています。一見強そうに見えるボディービルダーは、体脂肪率が極端に低いため、かぜをひきやすい人が多いといわれています。

 最新の研究では、新型コロナ感染症が最も重症化しにくいのは、BMI 25~26あたりだと報じられている。このコロナ禍においても、体脂肪率、BMI値ともに低すぎない方がいいのです」

関連キーワード

関連記事

トピックス

フリー転身を発表した遠野なぎこ(本人instagramより)
「救急車と消防車、警官が来ていた…」遠野なぎこ、SNSが更新ストップでファンが心配「ポストが郵便物でパンパンに」自宅マンションで起きていた“異変”
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
モサドの次なる標的とは(右はモサド長官のダビデ・バルネア氏、左はネタニヤフ首相/共同通信社)
イスラエルの対イラン「ライジング・ライオン作戦」を成功させた“世界最強諜報機関”モサドのベールに包まれた業務 イラン防諜部隊のトップ以下20人を二重スパイにした実績も
週刊ポスト
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン