かつては

かつてはツイッギーに憧れダイエットした人も(写真/Getty Images)

それでもあなたはやせたいですか?

 そもそも、やせたいという思いは、「魅力的になりたい」「健康になりたい」という目的を達成するための手段だったはずだ。体重を落とすこと自体が目的になってしまってはいないだろうか。プラスサイズモデルとして活躍する吉野なおさん(35才)はこう話す。

「一人ひとり、体質も生活リズムも目標も違うのに、他人と比べて頑張るのは無意味です。もし、どうしてもやせたいなら、いまの自分の体をいたわりながら、“なぜ体重を減らしたいのか”を明確にしてほしい。

 かつての私のように“やせないと〇〇だから”といった強迫観念があるようなら、体重計に生活や人生を奪われるだけで、幸せにはなれません。きちんと自分と向き合うことができれば、やせなくても幸せへの道が開けます」

「ダイエット」という言葉は、日本では「やせること」という意味で使われているが、本来は「食生活、食事療法」という意味の英単語だ。モデルでボディメイクトレーナーの佐々木ルミさんが説明する。

「美しく健康になりたいなら、体重ばかり気にするのではなく、正しい食事を摂って運動すること。そうすれば、その人にとって適切な体重、体形に自然と変わっていきます。ダイエットとは、ただ単にやせるのではなく、心身ともに健康になり、人生を楽しむための手段なのです」

 もし、いまあなたが「やせたい」と強く願っているなら、もしかしたら、あなたの心のどこかが、すでに健康ではないのかもしれない。

「人の目と体重計の数字ばかり気にしても、心身を壊すだけ。“やせればいいことがある”と思い込んで、何㎏体重を落とすことができても、それは自己実現とも健康とも程遠い」(永田さん)

 幼い頃から「やせているね」「太っているね」と、体形で優劣をつけられ続けてきたせいで、本当に大切なことが見えなくなってはいないだろうか。健康と美への意識をアップデートするときだ。

※女性セブン2021年6月3日号

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