オンライン授業や資料公開に活用例も

 一方で多くの子どもたちは、自分の端末を与えられていることには全体に歓迎のようだ。「ノートに書くだけより楽しいし、宿題も少しやる気が出るかな。みんなも少し楽しいらしい」と息子も言う。

 コロナ休校への対応ということで導入が早まり、そういった側面が強調されてきたオンライン授業だが、他の理由で登校できない生徒が、配布した端末を使ってリモートで授業に参加できたという例も既に報告されている。そして、助かるのは生徒ばかりではない。学校を休んだ先生がアプリ経由で課題を出し、生徒から提出された課題を自宅でチェックするなどの活用もされているという。

 端末を活用している教員から具体的な活用例を聞いていると、学校へ行けない環境を改善するだけではない利点も見えてきた。

「生徒たちがつまずきやすい部分の解き方をスマホで撮影、Googleドライブにアップして、それを見てくださいとお知らせしました。すると、子どもが自宅で動画を参照しながら解いてきたんです。教室で教えるときも同じ説明をするとは思いますが、一人一人のペースに合わせることは不可能です。ですが、動画ならば生徒が自分の好きなタイミングで、しかも繰り返し見られる。内容によっては、きめ細やかな教え方が可能になるのだと気づかされました」

 学習面の活用だけではなく、いじめの早期発見・防止のために配布端末を活用した例もある。大阪府吹田市では、市内の54の小中学校の児童生徒に1人1台配備したタブレットに、いじめ防止相談ツール「マモレポ」を導入している。

 一人一台端末がいよいよ実現し、様々なことができる環境が整いつつある。まだまだ課題は多いが、徐々に解決策も生まれ、広く活用されていくはずだ。トラブルだけに注目するのではなく、ポジティブな活用例が広がる様子を、期待を持って見守っていきたい。

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