そう、キラーもいいけど怪しいときの傾向を知りたいのだった。必ず飛ぶんだから、それはいつ、どんな状況なのか。
「早いレースのほうが飛ぶぞ」との声も聞く。4着以下だった40回中、4Rまで16回。これに5R(最多9回飛び)を加えると25回。「ルメールのフライトは午前便」と断じるには早計か。昼食後の5Rはシエスタのせいだろうか(=長い昼休み。あれはスペインか)。
さらに絞りこんでみる。「午前のダート戦、ルメールの単勝は見送れ」との説もあったりして。1番人気で勝ち切れない印象が強いという。そのへん、検証してみた。
【プロフィール】
須藤靖貴(すどう・やすたか)/1999年、小説新潮長編新人賞を受賞して作家デビュー。調教助手を主人公にした『リボンステークス』の他、アメリカンフットボール、相撲、マラソンなど主にスポーツ小説を中心に発表してきた。「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆。
※週刊ポスト2021年6月11日号