新型コロナ感染後とワクチン接種後の抗体量の比較
「ワクチン接種のほとんどが、感染後に抗体を一番獲得した例を、はるかに凌ぐ量の抗体を獲得しています。また抗体の量が多いだけではなく、中和抗体の働きによる感染抑制効果も、ワクチン接種のほうが高いという結果でした。ちなみに一番多く抗体を獲得したのは若い女性です。他にもワクチン接種後に発熱や倦怠感、筋肉痛など全身に副反応があったほうが、ほとんどみられないか、局所だった場合と比べ、より多くの中和抗体を獲得していることがわかりました」(森永教授)
警戒中のイギリス型と南アフリカ型の変異株に対するワクチン接種後の中和抗体の検査結果は従来型よりは多少落ちるものの、感染抑止力があることも判明。ただ獲得した中和抗体が、いつまで有効なのかなどはまだ不明で、今後の検査結果に期待がかかる。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2021年7月16・23日号
富山大学学術研究部医学系微生物学講座の森永芳智教授