スポーツ

米・伊選手団が食堂で「マスクなし大宴会」 五輪選手村スタッフが目撃

五輪選手村スタッフが見た内情とは?(時事通信フォト)

五輪選手村スタッフが見た内情とは?(時事通信フォト)

 五輪開催期間中、選手村に滞在するのはアスリート、関係者を含めておよそ2万人。開幕に先駆け、7月16日に選手村を視察したIOCのバッハ会長は「感染対策がきちんと実施されている。全選手団がルールを遵守していることが分かった」と述べたが、22日には選手村で4人の新型コロナウイルス感染が確認されるなど、すでに対策には綻びが見えている。選手村スタッフもこう証言する。

「どこがルールの遵守だ、と。いつクラスターが起きるかと心配しています」

 このスタッフによれば、最も危ないと感じるのが選手村中央にある「食堂」だという。

 3000席という広大なスペースで、24時間オープンのビュッフェ形式だ。座席は全てアクリル板で仕切られている。

 組織委が作成したアスリート向けの公式プレイブックによれば、選手村では原則として食事、就寝、練習時を除き〈常時マスク着用〉を求めており、〈ハグや握手などの物理的な接触を避けてください〉と明記されているが、食堂ではハメを外す選手が絶えないそうだ。

「食事中にマスクを外すのは仕方ないですが、そのまま大声でしゃべりまくっている選手が多いんです。開会式の数日前、アメリカとイタリアの選手団がそれぞれ10人以上の大人数で食堂に来て、宴会状態になっていた。他の座席からイスを持ってきて、みんなでワイワイと。その後、アメリカ選手団は盛り上がった流れで肩を組んで記念撮影会になだれ込んじゃって。『ウォー!』って雄叫びを上げる選手もいました。もちろんマスクはしていません」(選手村スタッフ)

 食堂では使い捨ての手袋を渡されるが、受け取らない選手が多く、アルコール消毒をしない人も散見されるという。

「ちゃんとしている選手も多いんですよ。セルフの珈琲マシンで必ず手袋をして注いでいる選手団もいます。国ごとに温度差はありますね」(同前)

 組織委に聞くと、こう回答した。

「プレイブック違反が疑われる事例については、早急に把握し、事実を確定した上で処分を含め厳正な対処を行なうことが必要であると考えています。特に、都民・国民に危険・不安を与えるような事例については、組織委としてイニシアティブをとって対応する必要があると考えています」

 このままでは観戦者はゼロでも感染者は増えていくばかり。

※週刊ポスト2021年8月13日号

関連記事

トピックス

同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
入場するとすぐに大屋根リングが(時事通信フォト)
興味がない自分が「万博に行ってきた!」という話にどう反応するか
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン