国内

水害で車が水没したら… 逃げる目安は「タイヤが半分水に浸かる前」

災害時、命を守る行動とは

災害時、命を守る行動とは

 台風が多いこの季節。思いも寄らない水害に遭う可能性もある。命を守るためには、何が適切な行動であるかを知っておくべきだ。そこで、水害時における“命を守る行動”を紹介する。

床下浸水しそう 家に残るべき?

(イラスト/カツヤマケイコ)

床下に浸水してきたらすぐ逃げる(イラスト/カツヤマケイコ)

 避難指示が出されていなくても、自宅に水が入ってきたら、すぐに避難をするのが基本だ。日本防災士会常務理事の甘中繁雄さんはこう話す。

「床上浸水したと思ったら、30分もしないうちに首まで水につかったという例もあるため、床下浸水の時点で避難行動をとるべきです」(甘中さん・以下同)。

 避難区域にあり、避難指示が出されていても、避難所に行かなくてもいい場合がある。

「自治体が発行しているハザードマップで自宅の水害や土砂崩れなどの危険度を確認し、自宅が想定最大浸水深よりも上にあり、土砂災害や家屋倒壊等氾濫想定区域外なら自宅に留まっても問題ありません。浸水深が10mくらいで、3~4階まで浸水する可能性がある。マンションの場合は、5階以上に避難できれば安全です。

 ただし、周囲が浸水すれば水が引くまで家から出られなくなるため、水や食料などの備えが必要。電気・ガス・水道・トイレなどが使用できなくなる恐れもあるので、ランタンなどの明かりや、簡易トイレなどの備えは必要です」

車が水没し始めた!

(イラスト/カツヤマケイコ)

車が水没し始めたら?(イラスト/カツヤマケイコ)

 車は水没すると水圧でドアが開かず、閉じ込められる危険が高い。ニュースなどでまだ浅い水の中を走る車をよく見るようになったが、たとえ10cmほどに見えても、水の中を走り続けていればマフラーの排気口から水が入り、やがて排気がうまくできなくなってエンジンが停止。窓も開かなくなる。

 こうなる前に、すぐに車を止めてドアを開け、避難すること。避難の目安は、タイヤの半分が水につかる前だ。

 それより水位が高くなると車体が浮いたり、水圧の関係でドアが開かなくなる。窓が開く場合は窓から、開かない場合は脱出用のハンマーなどで窓ガラスを叩き割って避難しよう。

「ゲリラ豪雨や線状降水帯の発生などで局所に集中的に雨が降ると、都市部の道路でも排水が追いつかずに冠水することがあります。“これくらいなら通り抜けられる”という安易な考えが命取りに」

 水没車は電気系統が濡れたことで出火や爆発の危険があり、修理か廃車の選択に迫られることも知っておこう。

ハンマーで車から脱出する方法

(イラスト/カツヤマケイコ)

ハンマーを使って脱出!(イラスト/カツヤマケイコ)

 脱出用ハンマーを常備しておけば、水没しても逃げられる。使う場合は、正面ではなく横の窓ガラスの四隅を思い切りハンマーで叩き、ひび割れたら体が出られるくらいまで穴を広げ、仰向けになって背中から外に出ること。

取材・文/山下和恵

※女性セブン2021年8月12日号

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン