ライフ

火災時の正しい行動 「火事だ!」と叫び、2分過ぎたらとにかく逃げる

火事

部屋で火事に気付いたら周囲に伝えてから避難

 2020年度の総出火件数は3万4602件。これは15分に1件の割合で火災が発生していることになる。いざという時に、逃げ遅れないためにはどうすべきか。日本防災士会常務理事の甘中繁雄さんに、シチュエーション別の正しい対処法を聞いた。

部屋で火事に気づいたら

 火事に気づいたら、すぐに「火事だ!」と大声を出して周囲に伝え、消防署(119)に通報すること。

「建物内での火災の場合、約3分で天井に燃え移り、消火器などを使った初期消火では鎮火できない状態になると考えられています。これを過ぎると火と煙がどんどん広がり、命が危険。避難ルートを確保してから、落ち着いて消火を試み、2分を過ぎたら、とにかく逃げてください」(甘中さん・以下同)

 避難する際は、これ以上燃え広がらないように部屋のドアを閉めて、酸素を断つことも大切だ。

オフィスビルなどで火災に遭ったら

煙が充満したら壁や床をつたい階段へ

煙が広がってきたら壁や床をつたい階段へ

 火が目に見えなくても、煙はあっという間に広がる。火災報知器が鳴ったら速やかに避難を開始しよう。その際、煙(一酸化炭素)を吸うと意識がもうろうとして危険なので、鼻と口をハンカチで覆い、低い姿勢で逃げること。

「煙は天井から壁へと順に覆っていくので、煙が充満して視界が遮られたら、壁や床に手をつきながら這って逃げれば煙を吸うリスクを下げられます」

 停電する可能性があるのでエレベーターは使わず、高層階でも階段で避難すること。

鍋から火が上がったら

コンロを切り消火剤を

コンロを切り消火剤を

 火のついた油に水をかけると、高温の油が飛び散って燃え広がり、大やけどする危険もあるので厳禁。

 まずコンロの火を止め、鍋の中に収まる火なら金属製のふたをして酸素を遮断するか、大量の重曹や塩を振り入れて消火。大きな火はスプレー式消火剤や粉末タイプの消火器を使い、天井に火が届いてしまったら迷わず避難。

煙が充満していたら

ビニール袋を被るのも有効

ビニール袋を被るのも有効

 煙が充満していて目を開けての避難が難しい場合、透明のビニール袋に新鮮な空気を入れた「防煙フード」を作り、頭からかぶって首元を手で押さえれば、目を開けたまま迅速に避難ができる。走って3分、歩いて5分以内は使用可。それ以上は窒息の恐れがあるので外すこと。

服(背中)に火が燃え移ったら

背中に火が付いたら転がる

背中に火が付いたら転がる

 服に火が燃え移ったら、シャワーを浴びたり、風呂に飛び込めればいいが、無理な場合は、地面に寝転び、ゴロゴロと転がって消火しよう。

「走り回ると火が燃え広がり、顔や呼吸器にやけどをすることもあります。この方法なら自力で火が消せます。顔を手で覆い、煙を吸わないよう注意すること」。

取材・文/山下和恵 イラスト/カツヤマケイコ

※女性セブン2021年8月12日号

関連記事

トピックス

ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン