「人生100年時代」を叫ばれる現代では、もはや“結婚適齢期”は20代、30代に限ったものではない。本人さえ「結婚したい」と希望しているなら、いつだって結婚適齢期と言える。今年5月に婚活ルポ『57歳で婚活したらすごかった』(新潮新書)を上梓した石神賢介氏は、タイトルの通り、還暦目前の57歳だ。
2011年には、40代で『婚活したらすごかった』(同)を著した石神氏。10年前と比べて、現在の年齢は婚活市場でかなり不利かと思いきや、そんなことはないらしい。20歳ほど年下の相手ともデートを楽しんでいるという。
10年前と比べて、婚活は出会いやすくなった
——前著『婚活したらすごかった』から10年が経ち、婚活業界はどのように変化しましたか?
石神:10年前にも婚活サイト自体はありましたが、ネット上で顔を出すことへの忌避感が強いせいか、プロフィールに写真を載せている人は少数派な印象でした。また、わざわざ婚活しているというのは、日常生活でパートナーを見つけられていない証拠のようで、正直恥ずかしい行為という感覚がありました。ですが、いまやネットを通じたパートナー探しは当たり前のこと。結婚式の司会をしている知人に聞いたところ、今は10組カップルがいたら3組はマッチングアプリがきっかけだそうです。
——40代から50代になって、婚活で出会いにくくなった印象はありますか?
石神:今は中高年層でも普通にスマホを使っているでしょう? だから僕と同じか上の年齢の方々も普通に婚活アプリに登録しています。実際の統計はわかりませんが、年齢関係なく婚活市場にいる男女の総数は増えた印象です。そのぶん個人の実感としては、むしろ昔と比べて出会いやすくなりました。
——年齢が上がったからといって、出会えなくなったわけではないんですね。
石神:イケメンでも高所得者でもない、僕のような普通のアラカンのおじさんでも婚活アプリで1週間にひとりのペースでデートできます。もちろん、「きちっと」やらないといけませんがね。大事なのは、とにかく機会を増やすこと。打率1割でも、何十人にも申し込めば返事はゼロじゃありません。「女性のコメントをきちんと読んで丁寧にレスポンスする」などの基本を抑えて、根性とマメさを持てば、ちゃんと出会えるんです。まぁ婚活は、デートしてからがまた大変なのですが……。