——『57歳で婚活したらすごかった』によると、30代の女性ふたりと代わる代わるデートを楽しんでいた時期もあり、とてもモテている印象ですが……。
石神:本には印象的なエピソードを選んで書いているので、そこに至るまでに実際にはたくさんフラれています。僕自身の実感としては全くモテていない。とにかくたくさんアプローチしていますから(笑)。婚活は、「この人!」と思える相手をひとり見つけることが大切。だからいくらデートしようが、幸せな気持ちにはなれていません。
デート中、留守番している相手の子供が気になって…
——20代、30代の婚活だと、家事の分担や子どもに対する考え方が、大きなチェック項目になっています。50代の婚活における人々の関心事は何でしょうか?
石神:男性に対して女性が気にしているのは、たぶん定年退職のことです。無職の相手と結婚生活を送るのは経済的に不安だと思います。仕事から帰ると家で毎日オヤジが寝転んでいたら、つらいですよね。僕の場合、フリーランスの記者ということで、40代の頃は「安定していない」という理由で敬遠されることが多かったんですよ。でも、フリーランスには会社勤めと違って定年がない。この年齢になると、逆にフリーランスはアピールポイントになっている気がします。まだまだ働きますから。
あと男女限らず、子どもの有無も大きなチェック項目です。僕自身バツイチですし、この年齢での婚活となると相手に婚姻歴があること自体は気になりません。ただ、子どもがいると話がまた違いますよね。もし多感な時期のでかい息子ができて、けんかしたらかないません。逆に年頃の娘さんがいても気を使いますし、小さい子には小さい子なりの苦労がありますし……。
——デートしていた女性が実は子持ちだったというエピソードを書籍でも書いていましたね。
石神:高校生の娘さんと、小学生の息子さんがいることが途中でわかったんですよ。彼女が僕の家に泊まりに来ると、留守番している子供たちのことが気になってしかたがありません。「じゃあ今はお子さんふたりで留守番しているのか?」と、どうしても頭によぎってしまう。恋愛モードにはなれません。結局彼女とはお別れする結果になりました。
●取材・文/原田イチボ(HEW)