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2021.08.09 16:00  週刊ポスト

夏の風物詩「スイカ」に要注意 誤嚥性肺炎や脱水症状を招く恐れも

スイカを食べる際に注意しておきたいことは?(写真はイメージ)

スイカを食べる際に注意しておきたいことは?(写真はイメージ)

 暑い夏にはスイカを食べたいという人も多いだろう。しかし、スイカには健康を脅かす危険性があると大阪市立総合医療センター腎臓・高血圧内科の森川貴医師はいう。

「スイカは成分の90%以上が水分ですが、カリウムが非常に多く含まれています。カリウムはナトリウム(塩)を尿で排出しやすくして血圧を調整したり、心臓の動きに関係したりする大切な物質です。健康な方なら問題ない含有量ですが、腎機能が衰えている人は別。尿からカリウムを上手く排出できないため、スイカを食べると体内にカリウムが溜まってしまう『高カリウム血症』を発症することがあります」

 高カリウム血症は、手足や唇の痺れ、不整脈、胸の痛み、悪寒や吐き気といった症状が現われ、最悪の場合は心室細動を起こして心停止することもあるという。

果肉が気管に入りやすい

 スイカはほかにも様々な病気を招くリスクがある。まず気をつけておきたいのが「誤嚥」だ。スイカはその性質上、誤嚥を起こしやすいという。

 誤嚥した食べ物や汁が気管に侵入すると雑菌が繁殖し、「誤嚥性肺炎」を招く恐れがある。厚労省の「人口動態統計月報年計」(令和2年)によると、誤嚥性肺炎による死者数は全国で約4万3000人。死因の項目では第6位となっている。

 本誌・週刊ポスト前号(2021年8月13日号)ではやはり夏の味覚の「そうめん」を食べることで誤嚥性肺炎が生じる可能性を報じたが、スイカにも同様のリスクが潜んでいる。

 命の危険に直結しなくとも、スイカが体調不良の原因となるケースはままある。都内在住の67歳の男性Aさんは今夏、家族とともに昼食後スイカを8分の1切れほど食べたところ、30分後に異変が起きた。

「急にお腹が痛くなって、トイレに駆け込みました。普段は快便なのですが、この時ばかりは下痢になって困りました。それも30分以上も止まらない状態が続いて……。孫が遊びに来ていたのにトイレに閉じこもっていてかっこ悪かったですね」(Aさん)

 健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子氏が指摘する。

「高齢になると胃腸機能が低下します。スイカは水分が多く、便中に混じって下痢症状を起こしやすい。また、冷やして食べることが多い点も問題です。高齢で筋肉が少ない人ほど体が冷えやすい傾向があるので、スイカを食べるとお腹を壊しやすいんです」

 本誌・週刊ポスト(2018年8月3日号)で特集した「60歳から食べてはいけない食品」でも、多くの専門家が下痢との因果を指摘したのが、夏場のスイカだった。

「酷暑になるほど疲労も蓄積しやすく、夏バテしている方も多いので、いつも以上に胃腸が弱まっている。そのことも拍車を掛けるのでしょう」(望月氏)

 デザートにスイカを食べる人も多いだろうが、食事との相性にも気をつけたい。

 大阪府在住の70歳の男性Bさんは、夏場になると夫婦で食後にスイカを食べるのが楽しみだった。だが、年を重ねるごとにおいしさよりも「胃もたれ」を感じることが多くなったという。

「気持ち悪くなって、時には戻してしまうこともありました。年齢的にも胃腸が弱くなったなぁと感じることはありましたが、どうにも油っぽいものを食べた後にスイカを食べると起きやすいんですよね。天ぷらや唐揚げなど、揚げ物を食べた後はとくに顕著でした」(Bさん)

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