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2021.08.14 16:00  週刊ポスト

増上寺・宝物展示室【1】幕末絵師の超大作を見た壇蜜「なんて大胆」

山下裕二氏と壇蜜が増上寺・宝物展示室に

山下裕二氏と壇蜜が増上寺・宝物展示室に

 日本美術応援団団長で美術史家・明治学院大学教授の山下裕二氏と、タレントの壇蜜が、日本の美術館や博物館の常設展を巡るこのシリーズ。今回は東京都・港区の増上寺・宝物展示室の第1回。2人が幕末の絵師・狩野一信が描いた超大作に圧倒される。

壇蜜:なんて大胆で迷いのない筆遣い。羅漢が地獄の炎を吹き飛ばそうとする凄まじい風の音がゴォーッと響いてくるようです。

山下:幕末の絵師・狩野一信の渾身の一作です。『五百羅漢図』は100幅に及ぶ超大作。六道の地獄を迫力満点に描いた第22幅は前半のクライマックスです。

壇蜜:この緻密さで100幅とは恐れ入ります。

山下:中世、近世を通じて五百羅漢図は数多く描かれましたが、これ程のスケールは類を見ない。増上寺の了瑩の援助を受け、一信は自らの画業の集大成として制作に命を賭けました。

壇蜜:羅漢の衣の柄を描くだけでも気が遠くなりそう。猿、鸚鵡、地獄で火を吐く猛獣など、この世とあの世の生き物が描かれ、第27幅にはなんと河童もいます!

山下:五百羅漢図に日本の妖怪の河童を登場させたのは一信のオリジナル。増上寺のお蔵で長らく眠っていた100幅が2011年に公開されると大変評判となり、米・スミソニアン博物館でも一部公開されました。現在は増上寺の宝物展示室に常設展示され、10幅ごとに年に数回入れ替わります。

壇蜜:数年かけてぜひ全幅を制覇したくなります。

【プロフィール】
山下裕二(やました・ゆうじ)/1958年生まれ。明治学院大学教授。美術史家。『日本美術全集』(全20巻、小学館刊)監修を務める、日本美術応援団団長。

壇蜜(だん・みつ)/1980年生まれ。タレント。執筆、芝居、バラエティほか幅広く活躍。近著に『三十路女は分が悪い』(中央公論新社刊)。

●増上寺 宝物展示室
【開館時間】10時~16時(最終入館15時45分)※当面の間、平日は11時~15時閉館(最終入館14時45分)
【休館日】火曜(祝日の場合は開館)
【入館料】700円 ※徳川将軍家墓所拝観共通券1000円
【住所】東京都港区芝公園4-7-35

撮影/太田真三 取材・文/渡部美也

※週刊ポスト2021年8月20日号

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