国内

批判殺到の丸川大臣 “銀ブラ”擁護は相手任せの「ご都合主義」

AFPjiji

次々と失言を繰り出す丸川珠代五輪相(写真/AFP=時事)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、またしても発言が批判を呼んでいる丸川珠代五輪担当相について。

 * * *
 世論を二分しながらも開催された東京五輪が閉会した。日本がメダルラッシュに沸いているうちに、国際オリンピック委員会(IOC)や大会組織委員会、菅政権への批判など忘れていたのだが、最後の最後に彼らの体質や体制をしっかり思い出させてくれたのは、やはり五輪担当相である丸川珠代氏だった。

 開催前は何かと問題発言を繰り返し話題となっていた丸川五輪担当相。6月には、新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長の発言に対し「全く別の地平から見てきた言葉」と述べたり、会場での酒類販売に関してもスポンサーに忖度するような発言をして批判を浴びた。このコラムでも、「ブーメラン効果」として、発言が本人の意図や思惑とは逆の効果を生んだと分析した。開催期間中はそんな発言も影を潜め、丸川五輪相が表舞台に出てくることはなかった。

 だが、やはり担当相だけのことはある。東京五輪が終わった途端、その存在感をアピールするかのように話題の主に返り咲いた。今回、新たに世間の批判を浴びることとなったのは、8月9日に銀座を散策する姿を目撃され問題になったIOCのトーマス・バッハ会長に対する発言だ。

 開催期間中、組織委員会が進めていた新型コロナ感染症対策である「バブル方式」のほころびがあちこちで指摘され、不安視する声が上がった。東京や近県は緊急事態宣言中、連日感染者が増加していたが、閉会式が近づくにつれ、各国の選手らや報道関係者らの姿が繁華街や観光地で目撃され始めた。日本国民に対し安心安全を声高に叫び、選手が関係者の行動を規制する「プレーブック」を作成・配布した上で開催したはずだが、やはり抜け穴はそこかしこにあったのだ。

 個人的な心情としては、バッハ会長の銀ブラ問題もこの抜け穴と同じだ。加藤勝信官房長官は「入国後15日を経過したものについてはこれら(プレーブック)のルールの適用は受けない」と述べたが、常識的な感覚としては、選手や関係者が日本に到着したその時から、この地を離れるまでが“安心安全”な期間や範疇に入ると思うのだ。これまで何度も安心安全を口にしていた張本人が、15日が経ち閉会したからといって警護を従え観光するというのは、どうにも納得がいかない。

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン