河野ワクチン担当大臣の対応や、いかに(時事通信フォト)

河野ワクチン担当大臣の対応や、いかに(時事通信フォト)

20ドルで偽造パスポート

 すでに起きている問題の1つが、ワクチンパスポートの偽造だ。

「アメリカでは数百の大学がワクチンカードの提示を独自で義務付けていますが、接種を拒否している学生の間で偽造カードが出回っています。FBIと保健社会福祉省は、偽造されたワクチンカードを購入、作成、販売しないよう呼びかけていますが、専門家は“紙のカードでは偽造防止に対応しきれない”と指摘しています」(在米ジャーナリスト)

 カリフォルニア州では、偽のワクチンカードを1枚20ドルで販売したバーの店主が刑事告発される事例も発生。9月からワクチンパスポートの導入が決まっているカナダのケベック州でも、報酬と引き換えに接種証明書の不正発行を求められた医療関係者がいたことが判明し、ニュースになった。

 それらの国では偽造してでも入手したいほど、すでにワクチンパスポートは生活に欠かせないものになりつつある。しかし、日本のようにワクチン供給が遅れている国では、打ちたくても打てない人たちがまだまだ多いのが現実だ。また、営業再開を心待ちにしていた店舗側にも、ワクチンパスポートによる意外な悪影響が出ているという。大手紙外信部記者が語る。

「ロックダウン期間中は飲食店や映画館には休業補償がありましたが、ワクチンパスポートの提示が義務化された後は、当然補償はなし。しかし、接種率が低い若者をターゲットとした店舗は客足が戻らず、大打撃を受けている。

 フランスではパスポートを提示しない客にも、確認を怠った店側にもペナルティーがあり、ごまかすこともできません。フランスの映画館では、観客が半減したところもあります」

 ワクチンパスポートが、かえって経済の回復に水をさす可能性すらあるわけだ。

※女性セブン2021年9月2日号

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