また、別のヒップホップファンも、今回のイベント開催について落胆の色を隠せない。20代大学生・Bさん(男性)が語る。
「僕は今回出演していたアーティストたちの音楽も好んで聴きますが、今回出演しなかった『Creepy Nuts』の大ファンでもあります。R指定さんとDJ松永さんのお2人は、『Creepy Nuts』を通じて、ヒップホップの反社会的なイメージを払拭することにも尽力してきたと思います。その長年の努力が水泡に帰したという感じがして、とてもがっかりしている。
DJ松永さんは、Twitterで『悲しいし、恥ずかしいし、情けないし、悔しいし、気持ちの整理がついていない状況です。』と呟いていて、ファンである自分もまさに同じ気持ちで今回のニュースを受け止めていました」
フジロックに行ったファン「一緒にしてほしくない」
こうした状況を受けて、ロックミュージックのファンのなかからは、SNS上で「ロックとヒップホップは違う!」と、反発する人も出ている。ロックフェスといえば、8月20~22日、こちらも賛否両論が渦巻いた野外フェス「フジロックフェスティバル’21」が開催されたばかりだ。
フジロックに足を運んだロックファンの20代大学生・Cさん(男性)は、こう話す。
「同じ『フェス』を開いたからといって、ヒップホップファンとロックファンを同じような目で見て欲しくないです。ロックミュージシャンはルールを守って音楽を楽しんでいますし、フェスの現場の治安だって全然違います。フジロックに出演したアーティストのなかには、MCで開催について悩んでいることや、感染拡大させないように呼びかけていた人も多い。
久しぶりに有観客ライブができて涙を見せた歌手もいます。それを『コロナを気にしているやつはバカ!』という雰囲気でお祭り騒ぎしているヒップホップ勢と一緒にされたくない」
こうしたロックファンからの怒りの声は少なくないようだ。だが、前出のヒップホップファンの男性Aさんは、こうした反応にも違和感を覚えるという。