コロナがおさまるのを待っていたら結婚できないと思った(イメージ)
手っ取り早く生身の人間と出会えるのがパーティーのメリットか?とド直球で問えば「まあ、そういう気がないわけではない」と顔を赤らめる野間さん。以前は対面の形で「出会えた」ものが、当たり前にできなくなった途端「一人で死ぬのか」という侘しさが野間さんを襲ったと、正直な思いを吐露する。
「結婚しなかった方が悪い、と言われたら反論はできません。でも、仕事や部下の教育など、どうにかこうにかやり抜いて、やっと今婚活ができている状態なんです」(野間さん)
以前のパーティーは、会議室などに集められた男女が対面式に設置された椅子に座り、男性が横にずれながら5分間ずつ女性と話す、というようなパターンが多かったというが、最近は銀行の窓口みたいなブース越しにしか会話できない状態だ。さらに、相手との間にはフィルム状のものが貼ってあり、以前ほど女性を吟味できないことが不満なのだと力説する。
「30代後半までずっと仕事しかしてこなくて、本当に『気がついたら一人』という状態でした。それでも、まだ大丈夫じゃないかという気持ちもあって、この2~3年で決めたいと考えていたんです。コロナで婚活ができなくなるなんて、想像すらしていませんでしたから」(野間さん)
男性側がこうなのだから、婚活パーティーに足繁く通う女性側からも悲痛な訴えが聞こえてくる。埼玉県在住の会社員・山口香代子さん(仮名・40代前半)が置かれた境遇も、なかなか切実なものだ。
「友人の紹介で男性と食事をしたり、ゆるい婚活はやっていました。実は、もうそろそろ結婚はしたいと思っていたし、多少理想とは違っていても、価値観の合う男性の友人はいましたから、結婚できない、相手がいない、という焦りはなかったんです。でも、コロナで仕事が在宅になり職場へ行くこともなくなり、お酒どころか、食事したり、コーヒーを飲むことすらなくなりました」(山口さん)
その結果、山口さんは「結婚に対する不安」を強く抱くようになった。
「アラフォーでも遅いと言われていたのに、もうすぐアラフィフ。コロナが落ち着くのを待っていたらもう結婚できない、子供も無理かも知れないと思い、ちょっといいなと思っていた男性を誘ったりもしたんです。でも、話すのはコロナとか不景気の話ばっかり。将来の話よりも、今どうするかという話ばかりで、結婚相手として考えられる人がいなくなっていました」(山口さん)
そこで、山口さんも「マッチングアプリ」に手を出してみるのだが、うまくいかない。いや、うまくいかないというより、こういう方法で出逢おうとする男性の素性が気になって仕方なく、メッセージが届いても返信する気になれなかったという。だから行き着いたのが「婚活パーティー」だった。