さらに、ある製作会社関係者はこう説明する。
「限られたスケジュール、限られた予算の中で感染対策を徹底しながら撮了するのは本当に至難の業です。映画業界では、配給会社は撮影のための予算は出すけれど、感染対策に関する費用は製作会社持ちというケースもあります。そうなると製作会社の負担は増えるばかりなんです」
同映画の製作会社に聞くと、「残念ながら本作の撮影において複数の陽性者が出てしまったことは事実です」とした上で、こう話した。
「スタッフ、キャストは撮影日の14日前から毎日の検温、体調の報告。現場では全スタッフに携帯用消毒液を配布し、不織布マスク着用を徹底。さらに場面に応じてフェイスガードやゴーグル、手袋の着用をする。食事は向き合わずに黙食。撮影後の外食禁止など、日本映画製作者連盟のガイドラインや感染症の専門家監修のガイドラインを元に、本作独自のガイドラインを作成して全スタッフ、キャストに配布し、それに沿った行動の徹底をお願いしております。本案件を正しく分析し、改善すべき点を反映した上で、今後も新型コロナウイルス感染予防に力を尽くし、良い作品をお届けできるよう努めてまいります」
幸いにも19人の感染者は療養期間を終え、撮影再開に向けて動き出しているという。