前出の若林弁護士の話。
「コロナ禍で女性の貧困問題は深刻化し、ひととき融資に頼るケースは今後も増えていくものと思われます。とくにシングルマザーや風俗嬢は国の緊急小口資金や総合支援などの審査が通りにくかったり、借りるまでの時間が待てなかったりで個人融資しか選択肢がない女性は多い。
“ひととき”などと軽い呼び方ですが、実際は極めて悪質な性的搾取です。個人間のやりとりの上、女性側も借用書にサインしているという弱みがあり、表沙汰になりにくい点も問題です。融資を受ける女性もまた、コロナの被害者だと言えます」
こうしている今も、ネット上の個人融資専用掲示板では、「ひととき」ありの融資契約が次々に成立している。
取材・文/河合桃子(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2021年10月8日号