顔の筋肉が集中する部分を刺激する「モダイオラスほぐし」
歯磨き粉の選び方にもコツがある。実は、汚れをしっかりと落としてくれそうな研磨剤入りは、歯の表面に傷をつけるリスクがあるという。
「粗い研磨剤入りは避け、汚れや着色汚れのステインに吸着する『ポリリン酸』を含むものがおすすめです。また、味や刺激が強すぎるものも注意してください。歯磨きの時間が短くなってしまうので、5分以上磨いても口の中がピリピリしない低刺激のものを選びましょう」
歯と同様に歯茎の汚れも落とす必要があるが、ゴシゴシとこするのはご法度だ。
「目安は歯ブラシで指の甘皮をこすって痛みを感じない程度。強い刺激を与え続けると、歯茎が下がってしまいます。歯茎は下がると戻りづらく、知覚過敏や虫歯になりやすくなるので注意しましょう」
舌が弱ると口元ブスになる
急増しているのは口腔内のトラブルだけではない。マスク生活が続くことで “口元ブス”が増えているというのだ。
「マスク生活が始まる以前は、人の視線を気にして口をキュッと結んだり、口角を上げるなどしていましたよね。ですが、いまはマスクの下で口角が下がりっぱなしになっていたり、口をぽかんと開けたままになっている人が多い。習慣になると、唇を囲むようについている『口輪筋(こうりんきん)』が弱り、ほうれい線やしわの原因に。実年齢より3才以上老けて見える恐れがあります」
口輪筋は骨に密着していない筋肉のため、咬筋(こうきん)などほかの筋肉より緩みやすい。その上、40代からは加齢によってさらに衰えやすいため、意識して動かしたい。
モダイオラスほぐし
まずは準備体操から。口輪筋のほか、顔全体の筋肉が集中する「モダイオラス」という部分を舌で刺激する。
「モダイオラスは顔の筋肉が集まっているターミナル駅のような場所。ここを舌でほぐすことで、顔全体の筋肉が動きやすくなり、舌の運動にもなります」
レロレロエクササイズ
「レロレロ」と唱えるだけの簡単エクササイズ
口を閉じたとき、舌はあごの上下どちらにつくだろうか。下につくなら、運動不足で舌が下がっている状態だ。しかし、「レロレロ」と唱えるだけで、改善することができる。
「舌はそれ自体が舌筋(ぜつきん)という大きな筋肉。喉の奥までつながっていて200gほどあるので、鍛えなければ重みでどんどん下がってしまいます。舌が下がると口呼吸になり、口輪筋も弱るという悪循環に陥ってしまう。できるだけゆっくりと、大きな声で唱えるのがポイントです」