ライフ

肩こりの真実 医学界に「こり」という症状はない、MRIでも変化なし

MRIで見ても、こりは確認できない

MRIで見ても、こりは確認できないという(写真/Getty Images)

 巣ごもり生活で、運動不足による肩こりや腰痛に悩む人が激増し、マッサージ店は盛況だという。熟練のマッサージ師にツボを押されると施術後しばらくはスッキリする。しかし専門家は意味がないどころか有害ですらあり得る行為だという。新潟大学名誉教授で医師の岡田正彦さんが説明する。

「よく『肩や筋肉がこった』などといいますが、実は医学界には『こり』という症状はない。実際にMRI検査をしても何も変化がみられず、単に『活性酸素』という疲労物質がたまっただけ。これは自分の意思で筋肉を収縮させ、血行をよくしなければ解消されることはありません」

 つまり人に体を揉んでもらっても、根本的な解決にはならないということ。それだけならまだしも、マッサージには恐ろしい“副作用”もある。

「加齢に伴い、誰にでも血栓と呼ばれる血液の塊ができます。それがマッサージに伴う外部からの刺激によって血管内壁からはがれ、血流に乗ることがあり、血管が詰まる可能性が生じてしまう。例えば足のマッサージで血栓がはがれると肺の血栓が、首のマッサージで脳の血栓が詰まってしまう危険性があります」(岡田さん)

 思わぬアクシデントに見舞われぬよう、セルフケアをするのがいちばんのようだ。しかし、自分で行うこりほぐしにも注意点がある。

「筋肉や内臓を包み込む役割のある『筋膜』を体からはがして不調を改善するという触れ込みの『筋膜リリース器具』が人気ですが、専門家たちは首をかしげています。上に寝そべったり、両手で持ってこっている部分に当てれば筋膜がはがれてラクになるという理屈ですが、そもそも皮膚の上から刺激したところで体内の筋膜がはがれることはあり得ない。

 ローラーで体をこすることで不調がよくなる根拠もなく、海外で多くの実験が行われ、完全に効果が否定されている“気休めの健康法”です」(岡田さん)

※女性セブン2021年10月21日号

関連記事

トピックス

維新はどう対応するのか(左から藤田文武・日本維新の会共同代表、吉村洋文・大阪府知事/時事通信フォト)
《政治責任の行方は》維新の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 遠藤事務所は「適正に対応している」とするも維新は「自発的でないなら問題と言える」の見解
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《自維連立のキーマンに重大疑惑》維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 元秘書の証言「振り込まれた給料の中から寄付する形だった」「いま考えるとどこかおかしい」
週刊ポスト
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
《高市首相の”台湾有事発言”で続く緊張》中国なしでも日本はやっていける? 元家電メーカー技術者「中国製なしなんて無理」「そもそも日本人が日本製を追いつめた」
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《バリ島でへそ出しトップスで若者と密着》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)が現地警察に拘束されていた【海外メディアが一斉に報じる】
NEWSポストセブン
大谷が語った「遠征に行きたくない」の真意とは
《真美子さんとのリラックス空間》大谷翔平が「遠征に行きたくない」と語る“自宅の心地よさ”…外食はほとんどせず、自宅で節目に味わっていた「和の味覚」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
NEWSポストセブン