国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんも「超音波式には要注意」と言う。
「超音波式はタンクの水をそのまま放出するため、メンテナンスを怠ると水分とともに雑菌が室内を漂い、健康被害が出る恐れがあります。超音波式を利用するなら、こまめな洗浄や乾燥が欠かせません」
2017年12月から2018年1月にかけて、大分県の高齢者施設で入所者など3人がレジオネラ菌による肺炎を発症し、そのうち1人が亡くなった。その際、入所者の部屋にあった超音波式加湿器からレジオネラ菌が検出された。
加湿器の中で繁殖したカビがまき散らかされると、いわゆる「加湿器肺炎」になるので細心の注意を払いたい。
「おすすめはハイブリッド式とスチーム式です。特にスチーム式はフィルターがないので比較的掃除が楽で、定期的にクエン酸を使ってお手入れすれば、衛生的に使い続けることができます」(石井さん)
医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広さんは、加湿器の「使い方」に警鐘を鳴らす。
「空気中のウイルスを除去する目的で、加湿器に次亜塩素酸水を混ぜる人がいますが、効果はありません。それどころか、加湿器肺炎を起こすリスクがあるので、絶対に避けてほしい」
加湿器を賢く使い、湿度とともに健康度もアップしよう。
※女性セブン2021年12月2日号