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加湿器、種類によって最大30倍も電気代に差 「スチーム式」は高め

さまざまな加湿器がある(写真/共同通信社)

昨年の秋冬は新型コロナ対策として加湿器の需要が急増し、品薄になった(写真はイメージ /共同通信社)

 冬場の乾燥対策に欠かせない加湿器。一言で加湿器といっても、その仕組みで大きく分けて4種類あり、それぞれ性能などは異なる。

 水を送風で気化させる「気化式」、水を加熱して蒸気にする「スチーム式」、水を振動させて小さな粒子にする「超音波式」、水を温風で気化させる「ハイブリッド式(加熱気化式)」である。

 家電プロレビュアーの石井和美さんが、それぞれの一長一短を説明する。

「気化式は電気代が安く静かな半面、寒さの厳しい部屋では加湿速度が遅くなります。スチーム式は水を沸騰させるので衛生的かつ、フィルターレスで手入れが楽ですが、電気代が高くなりがち。

 超音波式は電気代や本体が安く、おしゃれなものが多くて人気ですが、霧状の水なので近くにいると寒く感じることもあります。ハイブリッド式はファンがついて広い範囲で湿度を上げられますが、フィルターを使うのでこまめな手入れが欠かせません」

 大きく異なるのは電気料金だ。1日8時間、月30日使用を想定して、石井さんが概算した料金は以下の通り。

・「気化式」約60~200円
・「スチーム式」約1600~1800円
・「超音波式」約150~200円
・「ハイブリッド式」約300~650円

 広島工業大学環境学部建築デザイン学科准教授の宋城基さんは「スチーム式とエアコンの併用には注意してほしい」と指摘する。

「エアコンの下にスチーム式加湿器を置いて部屋全体を加湿する場合、加湿器の水蒸気を吸ったエアコンが温度を感知して、暖房機能を充分に働かせずに部屋が暖まらないことがあります。室内全体を加湿したい場合は、スチーム式加湿器はエアコンからなるべく離して置くのがベターでしょう」

 値段の安い超音波式は人気が高いが、「安かろう悪かろう」となるリスクがある。

「本体価格の安い超音波式はたんに水を細かくしてまくだけで、周りの床や家具が濡れがちです。また水に含まれる炭酸カルシウムが原因で室内に白い粉が付着し、なかなか取れなくなるケースもあります」(石井さん)

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