小田急「ロマンスカーミュージアム」内に設置されている開業当時の車両(時事通信フォト)

小田急「ロマンスカーミュージアム」内に設置されている開業当時の車両(時事通信フォト)

 小田急は2018年に最新のロマンスカー70000形GSE(=Graceful Super Express)をデビューさせた。GSEの車体もアルミ合金製ダブルスキン構造だ。

 デビューして3年しか経っていないGSEが、すぐに引退することはないだろう。とはいえ、同じアルミ合金ダブルスキン構造なので、VSEと同様に早い引退になってしまう可能性もある。前面展望やシートサービスを復活させたVSEは、まさに”ロマンスカーの復権”を象徴する名車だった。

 ちなみに、「VSEの引退と入れ替わりで新型ロマンスカーを導入する検討は現段階でしていない」(同)という。

 高い人気を誇っていたHiSEは、バリアフリー対応ができないという理由からの引退を早めた過去がある。それだけに、今回のVSE引退も「ここ数年で急速に進められているホームドアへの対応が難しいから」という理由もありそうだが、「ホームドア対応という理由は社内で出ておりません」と担当者は否定した。

 2020年、小田急は海老名駅にロマンスカーミュージアムをオープンさせた。同ミュージアムには歴代のロマンスカーが展示されている。小田急という枠にとどまらず、沿線住民・観光客・鉄道ファンの憧れでもあった小田急ロマンスカー、しかもフラグシップトレインでもあったVSE は展示されることになるのだろうか?

「先ほども申し上げましたが、VSEは2編成あります。まだ先のことになるので正式に保存するという決定はしていませんが、将来的に一編成はミュージアムで保存したいと思っています」(同)

 VSEが引退すると、小田急ロマンスカーはEXEとEXEをミニ改造したEXE α、そして地下鉄の千代田線にも乗り入れるMSE(= Multi Super Express)、70000形GSE(= Graceful Super Express)の4タイプのみになる。

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