〈母親というのは、彼女が悲しい時、寂しい時、お腹が空いている時に、そばにいてあげることなんだなと思います。(中略)もう20年も付き合っていたら、彼女が今どういう状態なのかは、見ただけでもわかります。言葉にならない気持ちを抱えている時だって。そういう時には、何気なく“ご飯でも食べる?”。きっと私の母親も同じだったんでしょうね。気がつくと、いつか自分が言われていたそのままを、娘に言ってる自分がいる〉(同前)
2005年の活動休止を経た後、娘・沙也加さんは表現者として独り立ちし始める。もともとアニメ好きだったこともあって、声優の専門学校に通い、2012年にテレビアニメ『貧乏神が!』で声優デビュー。そして2014年、ディズニー映画『アナと雪の女王』のアナ役の日本語吹替え声優で大ブレイクを果たした。紅白での“母娘共演”を芸能記者が振り返る。
「2014年末の紅白は、収録映像での出演ではありましたが、沙也加さんが『アナ雪』コーナーに登場し、聖子さんと共演する形になりました。沙也加さんが歌う映像を見て、母・聖子さんは人目もはばからず泣きじゃくっていました。
最初に紅白で母娘共演したのは2011年で、母娘で坂本九さんの『上を向いて歩こう』を歌いました。当時はまだ沙也加さんにそれほど実績がありませんでしたが、2度目の『アナ雪』での紅白出場は文句なしの実力です。聖子さんは、娘の晴れ姿を見て、『ここまで立派に育ってくれた』と実感したのでしょうね」(芸能記者)
若い世代には、「神田沙也加が松田聖子の娘」ということを知らない人も増えている。沙也加さんが母離れし、独自の道を切り開いた証拠だ。
聖子が未来の孫に思いを馳せる発言もあった。
〈娘もいつか子供を持つ日がくるのでしょうね。そうしたら、私がそうだったように母親の気持ちがわかるのかもしれませんね。それに、孫はかわいいっていいますよね(笑)〉(前出・『FRaU』)
公私ともに明るい未来が待ち受けていると思われていた沙也加さん。年の瀬に、あまりに悲しい訃報だ。
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