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《不正駐輪車を勝手にロック》罰金請求をするビジネスに弁護士は「法的根拠が不明確」と指摘…運営会社は「適正な基準を元に決定」と主張

不正駐輪を取り締まるビジネスが(CPGのHPより)

不正駐輪を取り締まるビジネスが(CPGのHPより)

「保育園に子供を迎えに行ったら、有料の駐輪場に朝停めていたはずの自転車が移動させられて、勝手にチェーン型のカギがかけられていたんです。

 自転車には『不正車両ロック中』と書かれたフダが付けられていて、わけもわからぬままQRコードを読み取ると、ロックを解除するために6000円近い“罰金”を請求されて……」

 こう嘆くのは、東京都在住の女性・Aさんだ。実は最近、「不正駐輪車両」が民間企業によって施錠され、高額を請求されるケースが相次いでいる。

一週間後に1万円近くの「罰金」が請求

 こうした取り締まりを行っているのは、「Cyber Patrol G(以下、CPG)」。愛知県名古屋市の株式会社サイバーGが行っている「不正駐輪・不正駐車取り締まり事業」だ。

 同事業では、「CPG」が業務委託しているとみられるスタッフが、有料の駐輪場に未登録のまま駐輪していたり、ロック式なのにロックがかからないまま放置されている自転車・バイクなどを「不正駐輪車両」として施錠。ロック解除の番号を教える代わりに金銭を請求しているとみられる。

「CPG」はホームページ上で〈不正駐輪・不正駐車根絶へ〉〈一人ひとりの勝手な行動が、後を絶たず横行している世の中。私たちはこの問題を根絶するため、徹底的に取締を行います〉とし、事業内容について下記のように記している。

〈私たちは土地やビルのオーナー、管理会社から委託を受け、対策が困難であった私有地における不正駐輪・不正駐車の取締を行っています。不正駐輪・駐車は、私有地の侵害になるだけでなく、お年寄りや緊急車両の通行を妨げることもありとても危険です〉
〈しかし、ロックしても支払いに応じず鍵を破壊するなどして逃亡する不正者がいます。私たちはこうした不正を徹底的に追及しています。悪質な不正者は、刑事事件として立件されたり、解雇・解任処分となって社会的責任を果たすまで追及しています〉

 冒頭のAさんは、まさに「CPG」の取り締まりを受けた1人だった。Aさんが当日の様子を振り返る。

「朝、自転車で子供を幼稚園まで送り、近くに新しくできていたラック型の駐輪場に自転車を停めて、そのまま出社しました。それで、夕方に子供を迎えに行ったところ、ラックから自転車が外され、隣接する『みんちゅうSHARE-LIN』という駐輪場の敷地内に自転車が移動された上で、チェーン型の鍵がかかっていたんです。

 朝停める時に『ガチャン』とラックにハマる音も聞いていましたが、本当に自転車がロックされていたかと言われたら、100%の自信はありません。それでも、カギがかかったままでは子供と家に帰れない。それでQRコードを読み込むと、まず住所やメールアドレス、電話番号など個人情報の入力を求められ、最終的にカギを外すための“罰金額”が提示されました」

 この“罰金”の内容は、「損害賠償金(1100円)+自転車管理料(4400円)+自転車日別管理料(330円/日)」。Aさんはその時点で5830円の支払いを要求されたのだ。

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