芸能

志らくが語る談志「生き様は真似できない。芸だけは引き継いでいきたい」

立川談志の教えを振り返る

立川談志の教えを振り返る

 伝説の落語家・立川談志の愛弟子だった立川志らくは、没後10年、片時も師匠のことを忘れたことはなかったという。志らくは今、多くの弟子や孫弟子を抱える。彼らを教育するうえで、談志の教えをたびたび思い出すという。立川志らくにインタビューを行った。【全3回の第3回】

 * * *
 談志は「落語を上手くやるってのは訳ないんだ、いかに下手にやるかが大変なんだ」というのが持論でした。けれど一方で私が若手の頃には、「上手くやるのはいつでもできると思っているだろうけど、そうじゃない。それが年齢とともにできなくなることもあるから、今のうちに上手くやるということをやっておかないとダメだ」とも言っていました。どちらの意味も当時は分かりませんでしたが、今なら理解できます。

 基礎もできていないのに他の落語と違うことをやりたがり、早々と自分で考えたギャグを入れたりする弟子がいっぱいいるけど、それはその場しのぎでしかない。一部のファンに受けているだけで、世間で勝負したらだれも聞いてくれません。

 やっぱりまずは上手くやることを追求するのが大切で、私も前座の頃はとにかくきちんと基本通り、一切のギャグも入れずにやっていました。談志が「イリュージョン落語」のように既存の落語から逸脱して「いかに下手にやるか」を追求するのは、その先のことだったんです。

 談志は、「価値観の共有」ということも言っていました。談志は昇進試験で落語のほかに歌や踊り(歌舞音曲)を課題としていましたが、いくら練習して歌や踊りの師匠がOKだと言っても、ダメだということがよくありました。

 談志が言っているのはテクニックを習得することじゃなくて、「好きになれ」ということ。「下手でもいいから好きになれ」と、それが伝わってくると談志はOKを出すんです。同じものを好きになるということこそが、価値観の共有なんです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

五輪出場を辞退した宮田
女子体操エース・宮田笙子の出場辞退で“犯人探し”騒動 池谷幸雄氏も証言「体操選手とたばこ」の腐れ縁
女性セブン
熱愛を報じられたことがないSixTONESジェシー
《綾瀬はるかと真剣交際》熱愛を報じられたことがないSixTONESジェシー「本当に好きな彼女ができた」「いまが本当に幸せ」と惚気けていた
女性セブン
伊藤被告。Twitterでは多くの自撮り写真を公開していた
【29歳パパ活女子に懲役5年6か月】法廷で明かされた激動の半生「14歳から援助交際」「友人の借金を押しつけられネカフェ生活」「2度の窃盗歴」
NEWSポストセブン
池江
《復活を遂げた池江璃花子》“母離れ”して心酔するコーチ、マイケル・ボール氏 口癖は「自分を信じろ」 日を追うごとに深まった師弟関係
女性セブン
中学の時から才能は抜群だったという宮田笙子(時事通信フォト)
宮田笙子「喫煙&飲酒」五輪代表辞退騒動に金メダル5個の“体操界のレジェンド”が苦言「協会の責任だ」
週刊ポスト
熱愛が発覚した綾瀬はるかとジェシー
《SixTONESジェシーと綾瀬はるかの熱愛シーン》2人で迎えた“バースデーの瞬間”「花とワインを手に、彼女が待つ高級マンションへ」
NEWSポストセブン
熱い男・松岡修造
【パリ五輪中継クルーの“円安受難”】松岡修造も格安ホテル 突貫工事のプレスセンターは「冷房の効きが悪い」、本番では蒸し風呂状態か
女性セブン
綾瀬はるかが交際
《綾瀬はるか&SixTONESジェシーが真剣交際》出会いは『リボルバー・リリー』 クランクアップ後に交際発展、ジェシーは仕事場から綾瀬の家へ帰宅
女性セブン
高校時代の八並被告
《福岡・12歳女児を路上で襲い不同意性交》「一生キズが残るようにした」八並孝徳被告は「コミュニケーションが上手くないタイプ」「小さい子にもオドオド……」 ボランティアで“地域見守り活動”も
NEWSポストセブン
高橋藍選手
男子バレーボール高橋藍、SNSで“高級時計を見せつける”派手な私生活の裏に「バレーを子供にとって夢があるスポーツにしたい」の信念
女性セブン
幅広い世代を魅了する綾瀬はるか(時事通信フォト)
《SixTONESジェシーと真剣交際》綾瀬はるかの「塩への熱いこだわり」2人をつなぐ“食” 相性ぴったりでゴールインは「そういう方向に気持ちが動いた時」
NEWSポストセブン
いまは受験勉強よりもトンボの研究に夢中だという(2023年8月、茨城県つくば市。写真/宮内庁提供)
悠仁さま“トンボ論文”研究の場「赤坂御用地」に侵入者 専門家が警備体制、過去の侵入事件を解説
NEWSポストセブン