茶碗蒸しをベースに作られた雑煮
●福岡「筑前朝倉の蒸し雑煮」
粕谷さんイチオシのもち入り茶碗蒸し
福岡県朝倉市周辺では茶碗蒸しに丸もちを入れた蒸し雑煮が主流。これが絶品だという。
「江戸時代、福岡藩は長崎警備にあたっていたため、卓袱料理(中国料理や西欧料理を和風にアレンジした料理)がいち早く入ってきました。茶碗蒸しもその1つ。藩主が養鶏を奨励していたことで、卵が手に入りやすかったこともあり、茶碗蒸しベースのお雑煮が作られたのかと」。
沖縄で雑煮の代わりに食べられている「中味汁」
●沖縄「中味汁」
お雑煮代わりの祝いの汁
47都道府県のなかで、唯一お雑煮がないのが沖縄県。代わりに食べているのが中味汁だ。
「“中味”とは豚の内臓のこと。3回ほどゆでこぼして臭みを抜いた中味と、かつおのだし汁に干ししいたけ、かまぼこ、黒い糸こんにゃくを刻んで、一緒に煮込んだものをいただきます。琉球時代から続く伝統料理です」。ちなみに、沖縄の年越しそばはソーキそばになる。
取材・文/土田由佳 レシピ作成・写真/粕谷浩子
※女性セブン2022年1月6・13日号