羽振り良さを見せつけるために着ていたものは偽ブランド品だった(イメージ、時事通信フォト)

羽振り良さを見せつけるために着ていたものは偽ブランド品だった(イメージ、時事通信フォト)

 その場で「読めば絶対に儲かる」とされる、投資の資料をY子から渡された佐々木さん。そこには、海外の小国で開発された新たな仮想通貨に月5万円でも投資すれば、即座に数倍のリターンが受け取れる、などと記してあったという。さらに、周囲にいた十数人の男女全員が、すでに100万円以上の投資を行なっていて、中には不労所得だけで月に数百万円を稼いでいると豪語する者も。

 ちなみに、仮想通貨バブルがテレビなどのメディアでも報じられるようになると、それを利用した詐欺が横行していたのも当時は有名な話だ。数年経った今になって、関係者が逮捕されるなどしている。

 しかし、佐々木さんらはそうした事情も、SNSなどを通じて把握していた。話される内容があまりに極端で、同行していた佐々木さんの友人も流石に怪しさを感じたのか、周りをキョロキョロし始め、こっそりLINEを送ってきた。

「送られてきたLINEを読んだら、リーダー風の男が着ていた高級ダウンジャケットも、持ち物のブランド物の財布もスマホケースも全部偽物だと。うっかり吹き出しそうになりました(笑)。友人はブランド品買取店勤務で目は確か。『偽物といっても、程度が低すぎる』偽物だと言っていましたね。バーと言い張る民家も、リーダー風の男の何軒か所有している物件の一つ、と言ってましたが、それにしてはボロすぎました」(佐々木さん)

 結局、中村さんたちは「前向きに検討する」と言い残し、どう見ても民家の「バー」を出た。変な商売に巻き込むな、とX子にラインしたところ、既読すらつかず、いつの間にかブロックされていたという。

若い女性たちによる勧誘グループを複数抱える投資家たち

 X子とY子が名乗った名前や佐々木さんたちが連れて行かれた場所、リーダー格の男の名前などから調べたところ、彼らはある界隈で「投資家」を自称しているグループであることがわかった。彼らは、前出の新興「仮想通貨」をネタにして投資を募っていたので、その「仮想通貨名」でSNS検索すると、詐欺だった、お金が戻ってこない、と被害を主張する書き込みが相次いでいた。なかにはX子とY子の名前をあげて「詐欺師」と糾弾する内容もある。

 投資家を自称するそのグループの特徴は、X子とY子だけでなく、若い女性ら複数名ずつの「勧誘グループ」が存在していることだ。彼女たちはそれぞれ、繁華街などでターゲットを見つけては「逆ナン」風に声をかけ、投資しないかとしつこく迫り、中には本当に「美人局」よろしく「私と関係を持ったのだから投資しないと訴える」と言われた男性も存在するのだという。

 悪質な勧誘ではあるが、もし、その仮想通貨への投資が、実態のあるビジネスとして成り立っていればまだ救いがあるだろう。ところが、彼女たちが勧誘する仮想通貨への投資は、いわゆる「ポンジスキーム」と呼ばれる金融詐欺の一種である可能性が指摘されている。高利回り運用や少額での投資が可能と謳い、毎月配当を支払うと約束すると言いつつも紹介料などの名目で別途金銭を支払う必要があるなど、一般的な「投資」とは程遠い詐欺の可能性が高かったのだ。

 また、詐欺グループが呼びかける投資の場合、集めた金銭は新規の投資客を勧誘するために使われ、実際の投資に回らない。新たな人を誘うには、投資で儲かっていることを見せるのが一番とばかり、一部上位メンバーの豪遊のために散財されるのだ。その「散財」ですら、SNSにアップする写真を撮るための貸別荘や高級レンタカーなどの貸し道具を用いた「演出」であることもザラで、見せ金の札束を貸す人がいたことも筆者は記憶している。そういったパターンがあることを思えば、佐々木さんが連れて行かれた一軒家バーにいた偽ブランド品で身を固めた「リーダー」は、まさに王道スタイルを邁進していたのである。

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