2010年といえば、嵐が初めて「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」に選ばれ、やはり初めて『NHK紅白歌合戦』の司会に抜擢された年だ。国民的アイドルとして着実に階段を上がっていた松本だが、青山さんに対して敬意を示していた。
「彼は芸能界のトップを走っていて、一方のぼくはこの島に移住してきたばかりの20代の若者。それでも、“違うフィールドで一生懸命やっている存在だよね”と、上下も大小もなく接してくれました。その言葉は、当時、不安ばかりだったぼくの大きな励みになりました」(青山さん)
松本にとって島の居心地はよかったという。
「この島のテーマは“ないものはない”。必要のないものはなくていいという開き直りの意味と、“大事なものはすべて揃っている”という前向きな精神です。松本さんは島で過ごし、“ないものはないという価値を楽しめるようになった”と話していました。ぼくたちの考えを理解し、共有してくれたことがうれしかったです」(青山さん)
番組で松本は、ホテルの部屋から望む景色を「ずっとぼーっと見てられる」、「海の水面や雲の流れを見ていられることが、いかに贅沢か」とつぶやいていた。芸能界のトップをひた走り、「手に入れられないものはない」立場にある松本。日々の忙しさの中で味わえない“楽しみ”をこの島で感じ取っていたのかもしれない。
※女性セブン2022年2月3日号