芸能

DCU、MER、未来推進会議 日曜劇場が「架空の組織」を連発する狙い

阿部寛

日曜劇場『DCU』で水中捜査のスペシャリストを演じる阿部寛

 日曜夜のTBSの老舗ドラマ枠といえば、日曜劇場。最近もヒットが続いているが、ある傾向が顕著だという。それは物語の中心に描かれるのが実在しない「架空の組織」であるということ。その狙いとは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 日曜劇場『DCU』(TBS系)が今冬ドラマの最高視聴率を記録するなど、上々のスタートを切りました。同作は海上保安庁に新設された水中捜査のスペシャリスト集団「DCU」の活躍を描くウォーターミステリーで、TBSがハリウッド大手制作プロダクションと共同制作するなど海外展開を前提にした力作です。

 特筆すべきは、ドラマタイトルでもある「DCU」という組織。これは「Deep Crime Unit(潜水特殊捜査隊)」の略称で、警察の捜査では困難な水中での捜査に特化した架空の組織です。

 架空の組織と言えば、記憶に新しいのが昨夏に放送された『TOKYO MER~走る緊急救命室~』。「MER」は、「Mobile Emergency Room」の略称で、最新の医療機器とオペ室を搭載したERカーが事故や災害の現場に駆けつけ、救命処置を施すチームの活躍が描かれました。

 さらに昨秋には『日本沈没―希望のひと―』の中核を担った「日本未来推進会議」も架空の組織。こちらは各省庁の次代を担う若手官僚を集めた組織で、日本沈没という未曾有の危機に立ち向かう姿が描かれました。

「TOKYO MER」「日本未来推進会議」「DCU」…日曜劇場は昨夏から3作連続で架空の組織をテーマにした物語を手がけているのです。ちなみにその1つ前の『ドラゴン桜』も、弁護士の桜木健二(阿部寛)と水野直美(長澤まさみ)を中心にした架空の「東大受験対策」組織を描いた作品と言えるかもしれません。

 なぜ日曜劇場はこれほど架空の組織にこだわった作品を放送しているのでしょうか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

騒然とする改札付近と逮捕された戸田佳孝容疑者(時事通信)
《凄惨な現場写真》「電車ドア前から階段まで血溜まりが…」「ホームには中華包丁」東大前切り付け事件の“緊迫の現場”を目撃者が証言
NEWSポストセブン
2013年の教皇選挙のために礼拝堂に集まった枢機卿(Getty Images)
「下馬評の高い枢機卿ほど選ばれない」教皇選挙“コンクラーベ”過去には人気者の足をすくうスキャンダルが続々、進歩派・リベラル派と保守派の対立図式も
週刊ポスト
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《離婚するかも…と田中圭は憔悴した様子》永野芽郁との不倫疑惑に元タレント妻は“もう限界”で堪忍袋の緒が切れた
NEWSポストセブン
成田市のアパートからアマンダさんの痛いが発見された(本人インスタグラムより)
《“日本愛”投稿した翌日に…》ブラジル人女性(30)が成田空港近くのアパートで遺体で発見、近隣住民が目撃していた“度重なる警察沙汰”「よくパトカーが来ていた」
NEWSポストセブン
多忙の中、子育てに向き合っている城島
《幸せ姿》TOKIO城島茂(54)が街中で見せたリーダーでも社長でもない“パパとしての顔”と、自宅で「嫁」「姑」と立ち向かう“困難”
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《スクショがない…》田中圭と永野芽郁、不倫の“決定的証拠”となるはずのLINE画像が公開されない理由
NEWSポストセブン
小室圭さんの“イクメン化”を後押しする職場環境とは…?
《眞子さんのゆったりすぎるコートにマタニティ説浮上》小室圭さんの“イクメン”化待ったなし 勤務先の育休制度は「アメリカでは破格の待遇」
NEWSポストセブン
食物繊維を生かし、健全な腸内環境を保つためには、“とある菌”の存在が必要不可欠であることが明らかになった──
アボカド、ゴボウ、キウイと「◯◯」 “腸活博士”に話を聞いた記者がどっさり買い込んだ理由は…?《食物繊維摂取基準が上がった深いワケ》
NEWSポストセブン
千葉県成田市のアパートの1室から遺体で見つかったブラジル国籍のボルジェス・シウヴァ・アマンダさん、遺体が発見されたアパート(右・instagram)
〈正直な心を大切にする日本人は素晴らしい〉“日本愛”をSNS投稿したブラジル人女性研究者が遺体で発見、遺族が吐露した深い悲しみ「勉強熱心で賢く、素晴らしい女の子」【千葉県・成田市】
NEWSポストセブン
女性アイドルグループ・道玄坂69
女性アイドルグループ「道玄坂69」がメンバーの性被害を告発 “薬物のようなものを使用”加害者とされる有名ナンパ師が反論
NEWSポストセブン
遺体には電気ショックによる骨折、擦り傷などもみられた(Instagramより現在は削除済み)
《ロシア勾留中に死亡》「脳や眼球が摘出されていた」「電気ショックの火傷も…」行方不明のウクライナ女性記者(27)、返還された遺体に“激しい拷問の痕”
NEWSポストセブン
当時のスイカ頭とテンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《“テンテン”のイメージが強すぎて…》キョンシー映画『幽幻道士』で一世風靡した天才子役の苦悩、女優復帰に立ちはだかった“かつての自分”と決別した理由「テンテン改名に未練はありません」
NEWSポストセブン