夏季五輪は競技人口が多いスポーツが中心なので、ウェアやシューズなどの売り上げ増に結びつく。しかし冬季五輪は、ジャンプしかりスピードスケートしかり、同じウェアでもギアの要素が強く、値段も高額で競技人口も少ないため、なかなか収益には直結しない。

 もちろん、各メーカーはそうしたなかでも工夫を凝らし、PRのためにロゴの入れ方を工夫している。メダル獲得が期待されるカーリング女子日本代表「ロコ・ソラーレ」の選手が着用するオフィシャルユニフォームには、ジャケットとゲームシャツの右胸、パンツの左太ももとスネにミズノのマークがあしらわれる。

「冬季五輪は各企業が報道される写真やテレビ中継の映像を分析し、どこにロゴを入れると露出度が高いかを研究している。ショットする選手はストーンを投げるデリバリーで必ずアップで映るので、目立つような位置にロゴがあります」(スポーツ紙記者)

 売り上げに直結しなくても、五輪でブランドアピールできることは、企業のイメージアップに繋がる。開発に携わったメーカー各社の担当者や技術者たちの技と思いは、そうして結実していく。五輪の主役はアスリートだが、縁の下で支える日本の技術にも要注目だ。

※週刊ポスト2022年2月18・25日号

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