羽生結弦のファンたち(写真/AFP=時事)
そう憤りを露わにしながら、Aさんが続ける。
「羽生君自身が礼儀正しいので、彼の姿勢に恥じないファンであろうと、私は言葉遣いにも気をつけています。本物の羽生ファンは、試合前よりも綺麗に会場を掃除するくらいマナーが良いんです」
2018年の平昌五輪で金メダルを獲得した羽生が、地元・仙台で凱旋パレードを行なった際には、沿道に10万人を超えるファンが集結。この時、前日から徹夜で列を作るファンの姿とともに、「ゴミがほとんど落ちていなかった」ことが話題になった。
「羽生君とともにファンも成長している。素敵な関係だと思います」
そう話すAさんだが、今後については悩みもあるという。
「これからも現役を続けてほしいけど、一方で肩の荷を下ろしてもいいのかな、とも思うんです。4回転アクセルは体への負担も大きいし、もし骨折なんてしてしまったら、引退後の生活にも影響が出てしまう。
何より、こんな極限のプレッシャーに何年もさらされ続けるのはどうなんだろうって。鍵山優真くん(18)をはじめ、頼もしい後輩が出てきているし、今後は心に余裕を持って、自分のために好きに滑ってほしいなと思います」
試合の日はカレー
時には、羽生のために家庭を巻き込むケースもある。
「下の子はまだ高校生で教育費もかかるので、パートで稼いだお金の一部を使ってたまに国内の試合を観に行く程度で、雑誌や写真集も厳選して購入しています。海外試合は基本的にテレビの前で応援ですね」
そう話すのは、2人の子供を持つ埼玉県在住の女性・Bさん(52)だ。2014年の全日本選手権をきっかけに完全に“沼落ち” (沼のようにどんどん深みにハマっていく様)したという。
「伊藤みどりさんの頃からのライトなフィギュアスケートファンでしたが、彼は今までのスケーターのなかでも圧倒的な輝きを放っていましたね」(Bさん)