ライフ

臨死体験のような視覚作用も?ペルー・シピボ族の「アヤワスカ儀式」とは

南米の熱帯地方で広く行なわれる儀式だというが…(イメージ。写真/AFLO)

南米の熱帯地方で広く行なわれる儀式だというが…(イメージ。写真/AFLO)

 人が亡くなれば三途の川を渡るものとされているが、生と死を彷徨って不思議な体験(=臨死体験)をした挙げ句に“帰ってきた”人は少なくない。経験者たちは「死んだ家族に手招きされた」「花畑を歩いた」などと語り、そこにはいくつかのパターンを見て取ることもできる。そして、自ら進んで臨死体験をしたのが、臨死体験を研究する明治大学意識情報学研究所研究員の岩崎美香氏だ。岩崎氏は臨死体験における感覚を知るために、南米ペルーのシピボ族が行なう「アヤワスカ儀式」の存在を突き止めた。

「病気の治療や厄払いなどのため、南米の熱帯地方で広く行なわれる儀式です。儀式で使われるお茶には植物由来のジメチルトリプタミン(DMT)などが含まれます。このお茶を飲むことにより、臨死体験のような視覚作用が得られるとされるんです」(岩崎氏)

 DMTは国際法で所持が制限されているが、特定の国の宗教儀式の場では規制が除外されている。岩崎氏は実際にペルーに足を運び、アヤワスカ儀式に参加した。

「1日おきに合計3回アヤワスカのお茶を飲みました。1回目は天井にモノクロの模様が見え始め、次第に色彩を持ってパノラマ状に広がりました。2回目以降は宇宙を飛んでいるような感覚になり、横たわると七色の光の筋がたくさん見え、手足が痺れ心臓が圧迫されてプールの底に沈められるような苦しさがあった。親やきょうだいが、私が死んだという知らせを受けて相談している光景も見えたんです。死ぬ時って誰もがこんな道を通るのだろうという直観がありました」(同前)

 岩崎氏が臨死体験をした21人に聞き取り調査をしたところ、そのほとんどが「死の恐怖がなくなった」と話すという。

「死の恐怖は次の3要素から成り立ちます。肉体的な苦痛、自分の存在が消えてしまうことへの不安、死という未知なるものに対する恐れです。臨死体験をした人は肉体的苦痛を感じず、死後の世界でも自分の存在が続くと直観し、臨死経験によって未知の恐怖がなくなった。3つの要素を克服したことで、死の恐怖がなくなるのだと考えられます」(岩崎氏)

関連記事

トピックス

佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン