最後の骨年齢では前腕部のレントゲン撮影や採血、採尿によって骨密度や骨を作る細胞などの活性度を測定する。
検査は2~3時間程度で終了。結果は医師からのアドバイスも含めて、20ページほどの冊子になったものが、2~3週間後に郵送されてくる。
オプションで「酸化ストレス」や「糖化ストレス」などを測定することも可能で、同クリニックでアンチエイジング・ドックを受けた50代男性にレポートを見せてもらうと、「AGEs(終末糖化産物)測定」による糖化年齢は「65歳」だった。
こうしたアンチエイジング・ドックは病院やクリニックなどの医療機関で受診でき、保険外診療のため費用は平均で7万~10万円前後だという。同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターの米井嘉一教授は、「クリニックによっては気になる検査だけ受けられます。1つの検査なら相場は1万円前後」と言う。
米井教授がアンチエイジング・ドックの意義をこう力説する。
「健康診断が病気を早期に発見して早期治療をする二次予防だとすれば、アンチエイジング・ドックは健康を高め、そもそも病的な老化にならない体づくりを目指す“一次予防”のためのもの。病的な部分が加わった老化は、生活習慣の改善などで元の状態に戻すことが可能なので、ぜひ検査を役立ててほしい」
健康的に老いるための選択肢として覚えておきたい。
(了。前編から読む)
※週刊ポスト2022年3月11日号