芸能

上島竜兵さん逝去 ダチョウ初代リーダー・南部虎弾が語る「改名時の『シーッ!』の逸話」

思いを語った南部虎弾

上島さんへの思いを口にした南部虎弾

 お笑いトリオ『ダチョウ倶楽部』の上島竜兵さんの逝去に、悲しみが広がっている。中でも突然の訃報にショックを隠しきれないのが、親交の厚かった『電撃ネットワーク』の南部虎弾だ(70)。

「信じられなくて呆然としています。上島はまだ61歳。お笑いだけでなく、俳優としても幅が広がっていたのに……あまりにも残念です」(以下、カギカッコ内は南部)

 ダチョウ倶楽部は1985年、上島さん、南部、肥後克広(59)、寺門ジモン(59)で結成され、南部が初代リーダーを務めていた。

「『コント赤信号』の渡辺正行さんが若手の登竜門のコント大会を主催していて、出場するために4人でグループを組んだのが始まりです。上島は結成当時から一番の気遣い屋で、とにかく優しい奴でした。それでいてすぐ泣く“泣きの芸人”でもあった」

 南部は当時の上島さんについて忘れられないエピソードがあるという。結成直後、『キムチ倶楽部』という芸名で活動していた4人だが、改名しようという話になり、喫茶店で話し合っていた。

「僕が、先輩の『コント21世紀』(現・ホームラン)みたいな名前をつけたら、21世紀になったら何も出来なくなるし、絶対売れないからなと言ったんです。すると、上島が僕の顔を見ながら『シーッ、シーッ』とリアクションするんですよ。何してんだろうと思ったら、後ろの席にコント21世紀の人たちがいてね(笑)。コントみたいなやりとりだったなぁ」

 結成から2年後に南部が脱退し、肥後がリーダーになったダチョウ倶楽部は『お笑いウルトラクイズ』(日本テレビ系)でブレイク。お茶の間で見ない日はなくなったが、上島さんは南部への恩義を忘れていなかった。

「僕はダチョウ倶楽部をクビになったんですが、そのことを気にしてか、その後も会うたびに『申し訳ない』と謝って、いつも心配してくれていました。上島が志村(けん)さんと仕事をするようになってから、『この人が自分をここまで引き上げてくれたんです』と、志村さんに自分を紹介してくれたこともありました」

 最後に南部は、ぽつりとつぶやいた。

「今にしても思うと正義感が強くて、納得できないことを自分のなかに溜め込むタイプだったのかなぁ……だからこそ、テレビでは笑顔で弾けることができたのかもしれない。一緒に仕事したことや、笑った顔は忘れません」

 早すぎる死を惜しむばかりだ。

【相談窓口】

「日本いのちの電話」

ナビダイヤル 0570-783-556(午前10時~午後10時)

フリーダイヤル 0120(783)556(毎日:午後4時~同9時、毎月10日:午前8時~翌日午前8時)

関連キーワード

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン