IgG4関連疾患の発生する臓器

IgG4関連疾患の発生する臓器

 なにより危険なのは、膵臓に腫瘤ができる自己免疫性膵炎の6割に黄疸が出て、診断画像も膵臓がんと似ているので、そのように診断されたケースもあったことだ。

「IgG4関連疾患を知っていれば、血液検査によりIgG4値を調べることで鑑別が可能です。一部の膵臓がんもIgG4値は上がるのですが、この疾患の場合、9割以上高くなります。膵臓がんで手術した症例のうち、2.5%が自己免疫性膵炎だったとの報告もあります。」(神澤院長)

 治療はステロイド剤のプレドニンを1日6錠程度服用する。1~2週間で効果が出始め、2週間ごとに1錠ずつ減らしていく。2か月程度で改善する症例が多いが、再燃防止のために、その後1~3年は少量のステロイドを継続することがある。ステロイドで効果がない、あるいは減薬や薬を止めると再燃するケースが難病指定されている。

取材・構成/岩城レイ子 イラスト/いかわやすとし

※週刊ポスト2022年6月3日号

神澤輝実:がん・感染症センター都立駒込病院院長

神澤輝実:がん・感染症センター都立駒込病院院長

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