内視鏡下粘膜剥離術の画像
「大腸は粘膜、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜の6層構造になっています。粘膜筋板から1ミリまではステージ0~1にあたり、内視鏡で治療可能です。この範囲であれば大きさ10センチを超えるがんでも刃先が1.5ミリの特殊なナイフで焼きながら切除する内視鏡下粘膜剥離術で対応できます」(田邊医師)
がんの深達度が深いと診断された症例は、初めから手術が必要な場合がある。ただし、がんの深度が微妙な症例もあり、その場合にはまず、内視鏡で切除し、顕微鏡による病理診断が行なわれ、治療方法が決定される。
このように内視鏡検査もよりよく向上しているので、たとえ軽度な症状であっても専門医での受診をお薦めする。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2022年6月10・17日号
田邊万葉・昭和大学江東豊洲病院消化器センター医師