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生活習慣病になりやすい“悪い肥満”と病気になりにくい“いい肥満” その違いは?

(写真/GettyImages)

肥満には“いい肥満”がある!?(写真/GettyImages)

 英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンが世界22か国の学生を対象にして行った調査では、日本人は男性の34%、女性の63%もの人が「自分は太っていると思う」と答えた。ところが、日本人は他国と比べると肥満の割合は低い。厚労省のデータを見ても、肥満者(BMI25以上)の割合は男性33%、女性では22.3%と、日本人がいかにやせ願望が強く「太っている=悪、不健康」と思い込んでいるかがわかる。

 たとえ「肥満」だったとしても、すべてが悪ではない。むしろ最近の研究では、太っている方が健康にいいケースもあることがわかってきた。

女性の三段腹は“いい肥満”の証拠

 医療法人康梓会Y’sサイエンスクリニック広尾統括院長の日比野佐和子さんが言う。

「肥満とは、医学的には、脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態のこと。一般的には、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常などの生活習慣病を引き起こし、血管疾患などのリスクを高めるとされています」

 世界的に、肥満かどうかは「体重(kg)÷[身長(m)の2乗]」で導き出されるBMIで診断されることが多い。日本肥満学会の基準では、BMI18.5未満が「低体重(やせ)」、18.5以上25未満が「普通」、25以上が「肥満」とされている。

「肥満の中でも、BMI35以上は『高度肥満』とされます。しかし、BMIは身長と体重のみで計算するため、筋肉質で体重が重い場合も肥満に分類されることがある。近年では、BMIだけでは肥満度の指標にするには不充分だという見方もあります」(日比野さん)

 BMIが高いからといって、太っているとは限らない。さらに、太っているからといって、不健康とも限らないという。『いい肥満、悪い肥満』著者で、慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科教授の伊藤裕さんは「いい肥満なら、むしろ健康長寿の助けになる」と話す。

「ワシントン大学のサミュエル・クライン教授の研究によって、生活習慣病になりやすい“悪い肥満”と、太っていても病気になりにくい“いい肥満”があることが明らかになりました。簡単に言えば、いい肥満の可能性が高いのは、いわゆる洋ナシ型の、皮下脂肪型肥満です。三段腹や下半身太りを気にする女性は多いですが、皮下脂肪によって太っているなら、健康上の心配はそれほどありません。

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