仲山氏はサッカーとビジネスの共通点を語る
仲山氏は近著『アオアシに学ぶ「考える葦」の育ち方』の中で、サッカー漫画『アオアシ』を題材に、サッカーでの理想の動き方をもとに、ビジネスに活かせるヒントを抽出している。たとえば前述のTIPSの中から、特に「思考力(インテリジェンス)」について注目すると、重要になるのが「言語化」だという。
「なぜその選択をしたのか、ということを言語化することが必要です。言語化できている場合、『こうすればうまくいくのではないか』という『仮説』を立てて選択できます。すなわち、選択基準を言語化したものが仮説。仮説をつくって試そうとするのが『考える』ということなのです」
サッカーでも、高い感性を持っているだけでは世界レベルでは通用しない。パスひとつ、あるいは味方の動きひとつとっても、その意味を言語化して思考し、うまくいったら同じ事を繰り返せるように練習することが重要になる。ビジネスでも同様に、言語化して仮説を立て、試行を繰り返し、検証してうまく行ったところを規範化する──といった作業を高速回転させることが肝要になるという指摘だ。
40年来のサッカー愛好者で、「人生のほとんどのことはサッカーでたとえることができる」と思い込んでいるという仲山氏は、『ジャイアントキリング』『アオアシ』『フットボールネーション』の3つのサッカー漫画は、「仕事のヒントになる」と感じているという。現実のビジネスにあてはめながら、楽しんでみるのもいいかもしれない。
【プロフィール】
仲山進也(なかやま・しんや)/仲山考材株式会社代表取締役、楽天グループ株式会社楽天大学学長。創業期(社員20 名)の楽天に入社。「楽天大学」を設立し、出店者コミュニティの醸成を手がける。楽天で唯一のフェロー風正社員(兼業・勤怠自由)となり、仲山考材を設立、考える材料を提供する。「子どもが憧れる、夢中で仕事する大人」を増やすことがミッション。「仕事を遊ぼう」がモットー。著書『今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則』ほか多数。