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元信者の金沢大学教授が明かす旧統一教会「合同結婚式」と「性観念」のリアル

「そこに統一教会の性観念が表われている」と金沢大学法学類教授・仲正昌樹氏は語る(時事通信フォト)

「統一教会の性観念」について金沢大学法学類教授・仲正昌樹氏は語る(時事通信フォト)

 安倍晋三元首相銃撃事件で逮捕された山上徹也容疑者の母親が入信していた旧統一教会(宗教法人「世界平和統一家庭連合」)に再び注目が集まっている。巨額の献金とともにクローズアップされるのが、「合同結婚式」だ。

 金沢大学法学類教授・仲正昌樹氏(59)は、「そこに統一教会の性観念が表われている」という。仲正氏は東京大学に入学した1981年に駒場正門前で勧誘され入信し、1992年までの11年半、信者として活動していた。仲正氏が語る。

 * * *
 統一教会は基本的に聖書を独自に解釈する宗教ですが、特に重要なのが「失楽園」の話で、統一教会は「アダムとエバは堕落してセックスをする」ということを強調します。堕落したアダムとエバがセックスして産んだ子が溢れているから、この世はサタンの影響力が強い。信者はその「原罪」を清算しないといけないし、教祖の文鮮明氏によって祝福された相手以外の人とセックスすることは、罪を再生産する、サタン側に加担する非常に重い罪になるわけです。

 ですから性的関心に繋がることは許されません。僕が大学時代に住んでいたホームでも、女の子と笑顔で喋るとホームの管理者に呼び出され目をつけられるということがあった。ボディタッチなんて絶対ダメです。

 オナニーも許されていませんでした。厳しいカトリックの戒律とほとんど同じですね。神が定めた用途以外で性器を使うことは神の摂理に反していると。私もその期間はオナニーをしなかった。

 知られている合同結婚式は、いわば「大型婚約式」なんです。事前に文鮮明氏によってマッチングされた「相対者」(統一教会では教祖が定めたカップルの男性を「主体者」、女性を「相対者」という)と、合同結婚式で文鮮明氏に聖水をかけられることで、2人は「祝福」され、原罪から一時的に解放されたことになる。

 でもその後すぐにセックスしていいということにはなりません。人はサタンの世界に生まれたから「堕落本性」があり、それを抑えるために約3年間、関係を持ってはいけない期間がもたれます。「聖別期間」と呼ばれるその期間を通じて、自分の性をコントロールできるようになる。関係を持っていいか否かは許可制になり、教会に「堕落本性を克服した」とみなされて初めて許可が下りる。それまでは絶対にセックスしてはいけません。

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