ライフ

「不都合なつながり」がバレたときの言い訳を政治家に学んでみる

岸信夫防衛相(時事通信フォト)

岸信夫防衛相(時事通信フォト)

 窮地は唐突に訪れる。説明如何によってその後は左右される。言葉を何より大切にする政治家からは学ぶべき点もあるだろう。コラムニストの石原壮一郎氏が指摘する。

 * * *
 政治家と宗教団体との「不都合なつながり」が注目を集めています。問題がある団体と知りながら選挙で協力してもらったり寄付を受けたり、広告塔にされることを承知でイベントに出席したり、それに対して有形無形の見返りを受けたり……。

 身に覚えがある政治家は、今ごろ戦々恐々としていることでしょう。あるいは「みんなやってるじゃないか」と開き直った気持ちでいるのでしょうか。いずれにせよ、それぞれの政治家の私利私欲が、結果的に日本を衰退させたり問題がありすぎる集団の好き放題を許したりすることになりました。かなり根深い問題のようですが、いろんな方向からメスを入れて膿を出しきってほしいものです。

 それはさておき、スケールも意味合いもかなり違いますが、一般人である私たちも「不都合なつながり」を持ってしまうかもしれません。よくあるのは「不都合な男女関係」です。何かの拍子にバレたら、どう言い訳すればいいのか。あの宗教団体とのつながりがバレたときの政治家のみなさんの言い訳から、ノウハウや心がまえを学んでみましょう。

 既婚者男性であるあなたが、部下である独身女性に手を出していたことが明らかになり、妻に追及されたとします。まず参考にしたいのは、岸信夫防衛大臣の言い訳。ご存じのとおり、安倍晋三元総理の実弟で岸信介元総理の孫でもあります。岸氏はあの宗教団体との関係を記者に問われて、こう答えました。

「何人かは存じ上げています。お付き合いもありますし、選挙の際もお手伝いをいただいたりしております。ボランティアのベースでお手伝いをいただいたケースもあると思います。選挙ですから支援者を多く集めることは必要なことだと思っております」

 開き直りにしか聞こえませんが、悪びれずに堂々とした態度を保つことで、追求した側が「あれ、べつに問題ないのかな?」と錯覚する効果があるかもしれません。

 そんな効果を期待しつつ、追及してきた妻に対して、堂々とした態度で「彼女にはボランティアのベースで手伝ってもらったケースもある気がする」と答えれば、一瞬「ボランティアだったのね。いい人なのかも」と勘違いする……といいですね。さらに「上司としては自分に味方してくれる部下を多く集めることは必要なことだと思っている」と言えば、不倫も仕方ないと思ってもらえる……といいですね。

 石川県の馳浩知事の言い訳も参考になります。記者会見であの宗教団体に支援を受けていたことを指摘されて、こう答えました。

「支援を受けた数多くの団体のひとつで、金銭的な支援は受けていない」

 また、イベントに参加したり応援を受けたりした記憶はあるかという質問に対しては、「十分な認識はございません」と答えています。

 妻に「どういう関係なの?」と尋ねられたら、「仲良くしている数多くの女友達のひとりで、金銭的な支援は受けていない」と答えてみましょう。「ホテルに行ったっていう証拠もあるのよ」と詰め寄られた場合は、「十分な認識はない」と答えます。

関連キーワード

関連記事

トピックス

筒香が独占インタビューに応じ、日本復帰1年目を語った(撮影/藤岡雅樹)
「シーズン中は成績低迷で眠れず、食欲も減った」DeNA筒香嘉智が明かす“26年ぶり日本一”の舞台裏 「嫌われ者になることを恐れない強い組織になった」
NEWSポストセブン
テレビの“朝の顔”だった(左から小倉智昭さん、みのもんた)
みのもんた「朝のライバル」小倉智昭さんへの思いを語る 「共演NGなんて思ったことない」「一度でいいから一緒に飲みたかった」
週刊ポスト
陛下と共に、三笠宮さまと百合子さまの俳句集を読まれた雅子さま。「お孫さんのことをお詠みになったのかしら、かわいらしい句ですね」と話された(2024年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)
【61才の誕生日の決意】皇后雅子さま、また1つ歳を重ねられて「これからも国民の皆様の幸せを祈りながら…」 陛下と微笑む姿
女性セブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
NBAレイカーズの試合観戦に訪れた大谷翔平と真美子さん(AFP=時事)
《真美子夫人との誕生日デートが話題》大谷翔平が夫婦まるごと高い好感度を維持できるワケ「腕時計は8万円SEIKO」「誕生日プレゼントは実用性重視」  
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン